社長ブログ〜積小為大〜
新築1棟アパート物件の最低限の目標利回りとは?
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
新年に入り、様々な賀詞交換会に参加させていただいております。
各会では、著名な方や財界の方々のお話を聞くのですが、今年は例年以上に前向きな発言が多いように感じます。
世界情勢は激動の一年になりそうですが、関西圏財界ではむしろこの流れを歓迎するようなムードです。
関西圏では、今後様々なイベント(IR、新幹線、万博等)が期待されていることと、これまでどちらかといえば関西圏が地盤沈下気味だったことを踏まええるとあとは好転するのみということなのだと思います。
当社としては、今年は例年以上に加速度をもって、本業および周辺事業に真摯に取り組んでまいります。
事業による付加価値の創造、雇用の創出、そして納税はもちろんのこと、今年からはCSR活動にも徐々にではありますが力を入れてまいります。(今後随時、広報にてお伝えしてまいります)
そして微力ではありますが関西から日本を元気にできるよう、貢献できたらと考えています。
さて、本題です。
前回の続きで、新築1棟アパートの投資分析の続きです。
新築1棟アパート専門の会社が提供する物件の利回りでは、投資としての資金効率が悪すぎるという話を前回させていただきました。
前回の記事はこちら
関西圏(京阪神)の供給事例を見てみますと、7%を切った物件がほとんどとなっています。
前回事例で取り上げた物件は、ローカル地域で表面利回り6.8%、純利回り4.8%という水準でした。
当社では、新築も数は少ないですが取り扱いがあります。
今回は、当社が考える新築1棟アパートでの最低限の投資利回りでの投資シミュレーションを提示したいと思います。
結論からいえば、表面利回り7.5%です。
(ただし、場所によってはもう少し低くても可ですし、融資条件によっても多少かわります)
前回取り上げた物件の条件を変更して、シミュレーションを走らせてみます。
(条件は利回り、つまり売買価格を下げるだけです)
試算条件としては以下の通りです。
【試算条件】
■場所:大阪府東大阪市
■構造:木造
■築年数:新築(減価償却期間:22年、設備部分15年)
■購入金額:6480万円(土地:2,680万円、建物:3,800万円、うち設備20%)
■諸費用:554万円
■満室想定家賃:518.4万円(表面利回り:8.0%)
*年間空室率:5% ※家賃下落率:毎年1%
■運営費用:102万円
■借入金額:6,480万円 (自己資金:480万円…A)
■借入金利:2.55%
■借入期間:35年
■所得税・住民税率:43%
■保有期間:10年
■売却金額:5,900万円(利回:8.02%)
いかがでしょうか。
これでギリギリだと思います。
当座のキャッシュフローをみると、本当はネット利回りFCRと、金利と期間で定まるローン定数Kとの差である、イールドギャップが2%以上ほしいところです。
売却後の最終的な投資パフォーマンスである税引後IRRは14.99%とまずまずとなっています。
(自己資金480万円を投入して、10年後には1060万円と約2倍になったということです。)
当社の事例では、関西地方銀行で金利1%・期間35年の融資アレンジが可能ですので、そうすればもっとキャッシュフローは良くなるでしょう。
(ローン定数=3.38%ですので、イールドギャップは2.23%となります)
※表面利回り6.8%の場合で、金利1%・期間35年であれば、とりあえず回りますが、なにぶん仕入れ金額が高いため出口の部分で苦労します。
不動産投資は賃貸業を行うこと、つまり事業です。
ということは、事業での原則がそのまま当てはまります。
私が良く言うのは、「利は元にあり」という言葉です。
(この言葉自体は松下幸之助さんが良くおっしゃってました)
つまり、仕入れ(初期設定)でその事業の成否がほぼ決まるということです。
不動産投資でいうところの初期設定では、立地、物件価格(利回り)、土地建物比率、融資などとなります。
自宅を買うような意識で、きれいだから、設備が良いから、広告をよく見るから、などの理由で、新築1棟アパートを買わないようにしたいものです。
次回は、シミュレーションシリーズの中古1棟です。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明
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