社長ブログ〜積小為大〜
【固都税清算について】関西圏独特の不動産商習慣・事情2
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
季節の変わり目で暖かくなったと思いきや、この2日間はかなり寒い天候です。
私は寒暖差の影響か、飲みすぎ食べ過ぎの影響かは定かではないですが、おなかの調子が今一つです。
とはいえ、睡眠時間を多めに確保すれば数日で治りますので、これから年度末に向けてラストスパートをかけてまいりたいと考えております。
前回からのシリーズものとなります。
関西圏独特の不動産商習慣・事情
②固定資産税・都市計画税清算の起算日
これも広く知られたことだと思います。
関西圏で不動産取引をする際の固定資産税・都市計画税(以下、固都税)の日割り計算の起算日は4月1日からとなります。
これは、市区町村等の会計年度が4月1日からということからです。
つまり税金の起算日に合わせようという考えからです。
ちなみに関東圏では1月1日となっています。
日本の税法上、固都税の納税義務は、1月1日現在の所有者であり、向う1年分を課税する決まりとなっていることからです。
どちらが正しいかというのではなく、また、どちらが得かというのもありませんので、それぞれ地域の考え方・商習慣となり、まさに郷に従えです。
実務上の固都税清算の取扱いについての注意点をご紹介いたします。
(どちらかと言えば、売主側に有利な内容かもしれませんが)
1.来年度分も決済時に清算すること
関西の収益物件を1月~3月に取引する際には、次期の固都税も清算することをお勧めしています。
それは、固都税の納税義務判別日と、固都税清算の起算日が異なることにより、決済後にトラブルになるケースがあるからです。
具体例を示します。
決済日:3/7
年間固都税金額:100,000円
(※ここでは計算を単純化するために、建物部分の消費税を考慮しません。)
固都税の日割:
売主:340日/365日分 →金額93,150円
買主:25日/365日分 →金額6,850円
日割りは上記の通りとなり、買主は売主に対し6,850円を支払うことで清算は完了となります。
ただし、この清算では、決済終了後に再度売主買主でやり取りをする必要が出てきます。
(通常は仲介業者を通じてにはなります)
先にご紹介の通り、固都税の納税義務者は、1月1日現在の所有者となり、毎年5月頃に納税通知書が1月1日現在の所有者、つまり売主のもとに届きます。
税法的には納税義務者はあくまでも売主ということになり、不動産取引の習慣上、固都税清算をすることになっているにすぎません。
よって、上記の清算をした場合、再度お金のやり取りを売主・買主間で行わなければならなくなります。
私は経験したことがありませんが、売主の請求に対し買主が支払いを渋りトラブルになったケースもあるそうです。
スムーズな取引をするためにも、決済時に次期分の固都税清算をされたほうが、売主買主双方にとって、スムーズな取引になると思います。
2.建物部分の固都税清算を正しく行うこと
固都税の清算時は、建物部分の固都税については、消費税が課税されるというものです。
これはご存じでない業者の方も多くいてます。
①の通り、税法上は1月1日現在の所有者に固都税の納税義務があるのを、商習慣で日割り清算しております。
税法上は税金の日割りという考えはないのです。
よって、固都税の清算に伴い金員を受領することは、収益とみなされ当然に課税対象となります。
※まれに非課税業者だから関係ないといわれる方もいらっしゃいますが、そうであれば不動産を売買をしたときに建物に含まれる消費税の益税も関係ないということになります。関係なくはないのです。
また具体例です。
決済日:3/7
年間固都税金額:100,000円(土地分:60,000円 、建物分:40,000円)
固都税の日割: 25日/365日分を買主から売主へ支払う
土地分:60,000円×25/365=4,109円
建物分:40,000円×25/365×1.05%=2,876円
清算金:6,985円
このように固都税の建物部分には消費税が課税されることを頭の片隅に置いていただければと思います。
収益不動産のような高額な商品の場合なおさらですが、売主買主双方が納得し、スムーズな取引をすることがとても大切だと思います。
若干マニアックな内容も含まれていましたが、本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明