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新築区分マンション投資の末路

2014年02月23日

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毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。


昨日母親から電話がかかってきました。

要件は特になく、元気にやっているかということ、会社の状態はどうか、子供は元気か等の内容でした。

いくつになっても親は親だなと思いましたし、心配してくれることをうれしくも感じました。

そんな母親は、先月人生初の海外旅行に父親と出かけたらしいです。
行先はハワイで、満喫できたようです。

実家は父親の本業(原状回復工事、内装工事業)と賃貸経営によって悠悠自適の様です。

実家がこのような状態ですから、私は特別心配せず、大阪で企業活動が出来るわけで、親と賃貸経営・不動産投資に感謝しております。


さて、本題ですが前回の続きとなります。


前回の記事はこちら


新築区分マンションへの投資は、まったく投資になっていないというお話でした。

当社にも新築区分マンションへの投資を既に始められて、困り果ててどうしたらよいか相談に来られる方が少なからずいらっしゃいます。

実際の事例(多少の加工済み)紹介の続きとなります。


【設定条件】
■山田様(仮名)
年齢35歳  大手メーカー勤務
年収800万  現預金200万

■保有物件
東京都大田区 平成25年築 投資用区分マンション

購入価格:2500万円
家賃収入:100万円/年 (一括借り上げによる家賃保証付)

借入金額:2500万円(オリックス銀行)
金利:2.1%  期間:35年間



新築区分マンションへの投資を勧める業者が謳うメリット

(業者がメリットといっているだけで、ハッキリ嘘です)


②節税ができる
不動産所得がマイナスになることで、給与所得と損益通算ができ、結果として課税所得の圧縮、所得税・住民税が節税できるというものです。

確かに物件購入初年度に関しては、購入諸費用がかさむことから不動産所得が大きくマイナスになり、給与所得との損益通算が可能です。

山田様の例でいえば初年度の節税効果は以下の通りです。

・不動産購入前
課税所得=給与課税所得450万円
→所得税住民税:100万円

・新築区分マンション購入後(初年度)
課税所得=給与所得450万円 -不動産所得▲100万円=350万円
→所得税住民税:75万円

節税効果=100万円-75万円=25万円


本来の節税というのは、実際のCFや価値と税法上の評価基準が異なることを利用し、その差やゆがみを有効活用することで、得られるものです。
例)地主がマンションを建てることによって、相続税評価額を圧縮し節税を図ること


購入初年度の節税効果にしてみても、25万円の節税をするために100万円以上のキャッシュが出て行っているわけですから、実際は節税にもなっていません。


では2年目以降はどうなるでしょうか。

この事例の場合、そもそも毎月のCFが12500円マイナスとなりますので、当然に不動産所得はマイナスとなります。

家 賃: 100万円
返 済:▲101万円
管理費等:▲ 10万円
固都税:▲4万円
------------------------------
収 支:▲ 15万円(月あたり12500円の手出し)


詳細の計算は割愛しますが、不動産所得は▲40万円程度になります。


この状態での節税効果を見てみましょう。

・不動産購入前
課税所得=給与課税所得450万円
→所得税住民税:100万円

・新築区分マンション購入後(2年目)
課税所得=給与所得450万円 - 不動産所得▲40万円=410万円
→所得税住民税:88万円

節税効果=100万円-88万円=12万円


これは12万円の節税をするために、15万円を負担している状態です。
トータルでは完全にマイナスです。


これが3年目以降、損の度合が大きくなっていき、このころに少し変だなと気づく方が多いです。


そして、販売した新築区分マンション業者に相談すると、「そうしましたら、もう1戸購入して再度節税を図りましょう」と提案を受け、再度購入するケースが多いと見受けられます。


これを何回か繰り返していると、そのうち融資限度枠を使い果たしてしまい、返済がままならなくなり、差押・競売のプロセスを踏みます。

競売で物件が処分されても債務は残りますので、最悪の状況では自己破産となります。

あまり表には出ていませんが、競売情報を覗いてみると、築浅区分マンション物件が定期的に競売市場に供給されています。
それだけ、被害者が多くいるということです。


このブログをご覧の方は勉強熱心と思いますので、この山田様のケースのようにならないと思います。

しかし、私が実務で個別相談を実施している中で、世の中には業者の甘いセールストークに乗せられ、安易に新築区分マンション投資をやってしまっている方が相当数いることを目の当たりにしました。

「定期預金の金利が1%にも満たない中で、利回り5%を確保でき、将来の私的年金づくりに最適です」というセールストークには乗せられないようにしましょう。

自分の資産は自分で築き、守っていく気概が大切と思います。


ヒートアップしてしまいましたが、本日は以上となります。


大和財託株式会社
藤原 正明

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