社長ブログ〜積小為大〜
新築ワンルームマンション投資でどれだけ値上がりすれば儲けられるか
先日、毎年恒例の望年会に行ってきました。
今回は箱根に総勢121名で、一泊二日わいわい盛り上がりました。
※当初130名になる予定でしたが体調不調により直前でキャンセルとなりました…。
泊まりの望年会は創業4年目から毎年実施しており、社員コミュニケーションと一体感と勢いを醸成するのにとても効果的と感じています。
社員数が今後も増えていきますが可能な限りこのイベントを続けていけたらよいなと思っています。
本題です。
新築ワンルームマンション投資でどれだけ値上がりすれば儲けられるか
についてです。
本ブログでも何度か取り上げている新築ワンルームマンション投資ですが、基本的には勧められるものではない、というのが私の見解です。
▼過去の記事はこちら
https://yamatozaitaku.com/cms/blog/230930/
https://yamatozaitaku.com/cms/blog/231015/
https://yamatozaitaku.com/cms/blog/231027/
しかし、この10年を振り返ると不動産相場が全体的にあがったため、新築ワンルームマンションも同様に値段が下がらず、むしろ上がったケースも見受けられ、儲かった人も一定数いらっしゃいます。
(当社が推奨する1棟アパート・マンション投資であればそれ以上の大きなリターンを得られたわけですが。)
そこで今回は10年間で物件金額がどれくらい上がれば利益を出すことが出来るのか、上昇率を変えてシミュレーションしてみたいと思います。
シミュレーションする物件は過去にも取り上げた実際の物件とします。
シミュレーション条件は以下の通りです。
物件種別 :区分ワンルームマンション
築年数 :新築
物件金額 :2,240万円
購入諸費用 :80万円
総投資額 :2,320万円
年間満室想定賃料 :93.6万円(表面利回り4.18%)
運営費用 :14.6万円
NOI :79万円 (総収益率FCR3.4%)
家賃下落 :6年目に約5%下落
空室 :3年に一度発生、空室期間1か月、広告料1か月、原状回復費用10万円/回
運営費用上昇 :修繕積立金が6年目から年間2.4万円(月2千円)上昇
保有中税率 :30%(年収700万円の会社員想定、課税所得330万円超695万円以下)
売却時税率 :20%(5年超保有時の長期譲渡税率)
保有期間 :10年間
借入金額 :2,240万円(自己資金80万円)
借入金利 :1.975%
借入期間 :35年
保有中のキャッシュフローは以下の通りです。売却金額は関係ないのでここで一度計算しておきます。
10年間で-200.6万円と、マイナスキャッシュフローとなりました。
持っているだけではどんどんマイナスが膨れ上がってしまうので、売却によって利益を出すのがワンルームマンション投資と言えます。
では売却シミュレーションを行っていきましょう。
売却金額を5%ピッチでプラスマイナス20%までシミュレーションしてみます。
売却諸費用は業者買取前提で売却金額の1%とします。
まとめたのが以下の表です。
結果を考察します。
売却金額が購入時から1.2倍の2,688万円であれば投資を終えた時に手元に544万円残ります。
そのうち80万円は購入時に投下した自己資金ですので増えたお金は464万円、自己資金倍率は6.8倍、内部収益率IRR17.13%と、とても良い投資と言えます。
注意すべき点として、物件金額2,688万円の時の物件表面利回りは3.27%となり、果たして現実的なのかどうかということです。
売却金額が10年前の購入時と変わらない2,240万円であれば、投資終了時に189万円の現金が手元にある状態となり、殖えたお金は109万円、自己資金倍率2.37倍、内部収益率5.94%となります。
これも悪くはないのではないでしょうか。
賃料下落があるので売却金額時の表面利回りは3.93%と、ワンルームマンションの買取業者が利益を出すのは相当高い金額で売却出口を設定できる状況でなければなかなか現実的とは言えないと考えます。
※私調べでは中古ワンルームマンションを表面利回り3%台後半で売っている会社もあるにはあります。
ワンルームマンション業界の商流と利回りの相場的に考えれば、表中の物件金額変動率は90~95%くらいが現実的なところで、その時と投資パフォーマンスは決して良いとは言えず、むしろ投資ボラティリティと低流動性を考えれば、あえてこの投資をしないほうが賢明と考えます。
売却金額が購入時の95%である2,128万円(表面利回り4.14%)であれば、最終手残り100.5万円、増えたお金20.5万円、自己資金倍率1.26倍、内部収益率1.3%と損しないで投資を終えることが出来ますが、将来の売却金額で投資の成否が100%決まってしまうような投資、かなりのハイリスクであると言えます。
当社としては、相続対策など一部の限られた属性の方を除き、不動産投資は保有中のキャッシュフローが得られ、相場や残債の状況によって売却出口の選択が取れる1棟アパート・マンション投資を強くお勧めします。
区分所有の不動産投資をされたいのであれば、主に実需用に造られた分譲マンションを選択された方が、出口の購入対象も幅広くお勧めできると考えます。
以上です。
本年も本ブログをご覧いただき誠にありがとうございました。
来年も有益な情報発信を行ってまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。
大和財託株式会社
藤原 正明