社長ブログ〜積小為大〜
法人向け生命保険節税に変わる築古アパート節税の方法 具体篇
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
今週東京のオフィスを同じ渋谷内で移転しました。
(渋谷東京海上日動ビルディング9階)
沢山のお花を頂戴し感謝申し上げます。
移転に合わせて、東京支店を東京本社に改称しました。
これは、東京においても全てのサービスが完全に社内内製化のうえ提供できるようになったからです。
大阪本社同様に、それぞれの分野のプロフェッショナル人財が在籍しております。
1棟中古リノベーション物件「Z-RENOVE」、自社設計・自社施工による新築1棟アパート・マンション「Z-MAISON」「Z-GRANDE」など、 これまで主に関西圏で開発・提供してきた物件を関東圏においても大量供給できる体制が確立しています。
同時に、土地活用、賃貸管理、不動産証券化などのサービスも東京でフルで提供しています。
また今後の事業展開を見据え本社機能(管理部門)も東京に具備したので、東京本社とすることにしました。
今後は、東京・大阪の二本社体制により、全国の方々に向けて収益不動産を軸とした資産運用サービスを提供してまいります。
これからのサービス展開にどうぞご期待くださいませ。
さて、本題です。
前回の続きで、
法人向け生命保険節税に変わる築古アパート節税の方法 具体篇
についてです。
前回の記事はこちら
前回は少し前まで法人節税の王道であった、生命保険節税について解説しましたが、今回は収益不動産の減価償却費を活用して節税(税の繰り延べ)をするスキームを解説します。
法人が節税(税の繰り延べ)をするメリットは、
・手持ち現金を増やすことができる、コントロールできる
・決算対策で利益をコントロールできる
・本業が赤字でも物件売却によって益出しをして黒字決算にできる
等となります。
経営者の皆様にとって、今回のコロナショックのような不測の事態では上記の点は会社経営上とても有益だと納得いただけると思います。
一つのモデル物件を取り上げ、どれくらいの税の繰り延べ効果があるか、出口時のリスクはどの程度あるのかを見ていきたいと思います。
<モデル物件>
軽量鉄骨造アパート 築27年
物件価格 1億円(諸費用込みとする)
土地3000万円 建物7000万円
満室想定家賃 860万円
運営費等 210万円
NOI (a) 650万円
借入金額 9000万円(自己資金1000万円)
金利 2.0%
返済期間 25年
返済方法 元利均等返済
年間返済額 458万円
支払利息(b) 177万円(1年目)
減価償却費(c) 1400万円(1年あたり)
節税効果はどの程度になるのでしょうか。
本不動産の所得を計算してみます。
収益不動産からの所得 = NOI - 支払利息 - 減価償却費
=650万円 - 177万円 - 1400万円
=▲927万円
つまりマイナス927万円の損金を作ることができたという事です。
細かく見てみると、現金支出を伴わない損金として減価償却費1400万円が得られていますが、収益不動産から生み出される家賃収益としてNOI650万円の所得が上がり、物件購入時の借入金の支払利息として177万円の損金が別途ありトータルとして927万円のマイナス所得が出来た、という事です。
ちなみに現金収支(税引前キャッシュフロー)を見てみると、
税引前キャッシュフロー = NOI - 年間返済額 = 650万円 - 458万円 =192万円となります。
つまりお金は192万円増えながらも、損金として927万円の損金が作れたという事になります。
ここで着目して頂きたいのは、この節税スキームの実際の現金投下についてです。
物件購入時に1000万円の現金を支出すれば、毎年200万円弱の現金が増えつつ、損金として毎年900万円超が作れるという事です。
つまり、収益物件そのものから192万円の現金を得て、別途損金927万円を作ることで306万円(927万円×法人実効税率33%)のお金も手元にある状態となります。
合計すると192万円+306万円=498万円お金が手元にある状態となります。
現金投下が1000万円でしたので、節税しながら半分の現金は1年で戻ってくることになります。
これが今後5年続くのです。
他の節税スキーム、例えば生命保険節税の場合は、支払保険料と損金額が同額になるので、損金を作るには現金も同額流出してしまいます。
航空機オペレーティングなども同じです。
コロナのような不測の事態への対策を講じようとすれば、キャッシュポジションは高めておきたいところなので、この収益不動産節税スキームは事業会社にとってとても有益だという事がご理解いただけると思います。
先のシミュレーションは1年目だけの話でしたが、長期的に見た場合の節税パフォーマンスや出口はどうなるかについて解説していきます。
長くなりましたので、次回に続きます。
本日は以上です。
大和財託株式会社
藤原 正明
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