社長ブログ〜積小為大〜
アフターコロナで収益不動産価格はどうなるか
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
緊急事態宣言が日本全国すべてで解除されました。
街には人手が戻りつつあります。
不動産業界においても、先週宣言解除となった関西圏においては、これまでの反動からか売買・賃貸共に物件の動きが活況です。
関東圏は売買系はかなり動き出しました。賃貸は徐々にといった感じです。
当社においては、ゴールデンウイーク明けから感染予防の対策は打ちながらも通常通りの業務を行ってきたこともあり、今月の契約件数は過去最高を記録しています。
TwitterやYouTube、そして本ブログなどでもコロナ感染拡大中にも発信していた通り、現状、不動産価格にはほぼ影響は出ていません。
※3月下旬から4月上旬は業者が抱えていた案件が少し安く放出された印象がありましたが。
当社としては、ファクトを見ながらやるべきことを粛々と行ってきましたので、これからギアを上げていきます。
今回のコロナ禍により、一般個人の方および中小企業において、いかに安定収入源の構築が重要であるかを再認識頂いたと思いますので、当社はそのニーズに応えていくべく事業を積極展開してまいります。
さて、本題です。
「アフターコロナで収益不動産価格はどうなるか」についてです。
日本国内においてはコロナウイルスの感染拡大はいったん収束しつつありますが、これまでの自粛対応により様々な需要が消滅し、消費が落ち込み企業は倒産し、実経済は急減速しています。
今後、段階を踏んだ経済再開により徐々に経済は回復していくと推測されますが、コロナ前の状況に戻るのは数年かかるとの声も聞かれます。
そもそも国内においてはアベノミクス以降の経済好調の波の調整局面時期、および消費税増税が昨年秋に重なっていたので、その時点で既に下降局面だったところにコロナによってトリガーが引かれ一気に景気後退した状態との見方も出来ます。
株式マーケットに目を向けると、3月のコロナショックにより日経平均は一時1万6千円台まで急落しましたが、今は2万2千円台をうかがうところまで戻し実経済とは乖離した動きをしています。
こうした状況下で、収益不動産価格はどうなるか、というのは多くの方が気になるところだと思います。
2か月前に同じような内容を書きましたが、いまだに多くの質問を頂きますし、この期間中で世の中のコロナショックの混乱状況も変わってきているので再度書きます。
まず結論を先に申し上げると、
住居系は影響は軽微、店舗・オフィス系は影響大
となります。
※ホテルはご周知の通りです。
収益不動産の価格形成要素は、
①融資情勢
②賃料
になります。
※もちろんその他に空気感、投資家マインドなど定性的な部分もありますが。
各要素ごとに解説していきます。
まず①の融資情勢についてですが、このコロナショックによって金融機関の融資姿勢の変化はほぼありません。
スルガショックなどにより融資姿勢がそれ以前よりもそもそも厳しくなったというのがあったのですが、姿勢は緩くはないけどコロナによって厳しくなってはいないということです。
強いて言えば、家賃滞納リスクを考え融資審査時のストレスを強めにするところが、多少出てきたという程度です。
収益不動産価格と融資情勢には明確な相関関係があり、記憶の新しいところではリーマンショックやバブル崩壊時の融資引き締めがありました。
どちらも不動産向け融資がストップしたことで不動産の流通が妨げられ、結果として不動産の投げ売りが行われ不動産マーケット全体が押し下げられたということになります。
日本国内においては、リーマンショックそして東日本大震災後を経て、安倍政権の経済政策(アベノミクス)や相続税増税などにより金融機関の融資姿勢が積極化し、物件価格が上がっていったというのが今に繋がる話となります。
融資が止まると物件価格が下がり、融資が出ると物件価格が上がる、というのが不動産価格形成には大きく影響しているということがお分かりいただけると思います。
以上を踏まえて、コロナショックによっての融資情勢の変化は今のところ認められていませんし、当社ベースでのヒアリングにおいても
滞納リスクには注意しつつも、一定の自己資金の投入があれば長期優良債権として位置付けている
という回答を多数の金融機関から得ています。
もちろんコロナの影響が長期化してくれば金融機関の融資姿勢にも変化が出てくる可能性もありますので、融資が付くから何でも良いから購入するスタンスではなく是々非々で物件を検討し購入してくのが、不動産投資のドル・コスト平均法的な投資として良いのではないかと考えます。
※株でも底値で買うことが難しいように、不動産価格が万一下がったとしても底値で買うことは難しいです。
これは上記の通り物件価格が下がるということは融資が出ないという事です。自己資金を相当入れられる人・法人でなければ、そもそも購入できないということも底値で買えないという一因です。
次回はコロナショックによる賃料の影響について解説します。
本日は以上です。
大和財託株式会社
藤原 正明
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