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クローズアップ現代+をみて

2019年10月19日

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毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。

今週は台風19号が日本を直撃し改めて自然災害の恐ろしさを感じた一週間でした。

今回の台風で被害にあわれました皆様にお見舞い申しあげるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に深くお悔やみを申しあげます。

関東圏の業者と情報交換していると、一部で収益物件に損害が出ているとのことでこれから早期復旧に向けて忙しくされています。


当社の状況では関西圏の物件のみ管理運営しておりますが、大きな被害はなかったです。


私の記憶している限りにおいても、最近は勢力の強い台風や局地的豪雨の頻度が多発傾向になると感じています。(地球温暖化が影響している?)

日本に住み経済活動をする以上、今後も自然災害は避けては通れないですので、どうリスクに対処していくかということが重要です。

収益不動産購入時には融資を受けることがほとんどで、火災保険加入は必須条件ですが、それに様々な特約を付保することが大切です。

適切な保険に加入することで、経済的損害を受けてもリカバリーすることが可能です。

当社顧客に対しては、物件引渡し前には適切な保険提案を行っており、また新たに当社で賃貸管理をお任せいただいた顧客にも、保険の見直しを提案していたりしております。

今回の台風を機会に、皆様も適切な保険に加入できているかどうか、見直してみることをお勧めいたします。


さて、本題です。

「クローズアップ現代+を観て」です。

10/9にNHK クローズアップ現代+にて、不動産投資関連の内容が放送されていました。


「加熱する不動産投資に異変!賃貸住宅ビジネスの深層」
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4338/index.html


内容としては、土地を持たない方に良い土地があると言って土地を購入させ、その上にアパートを建てさせる「ランドセット」と呼ばれる手法で賃貸経営をした方々が、今返済に苦しみ始めており、今後より深刻化するという話でした。

※この業界に長くいますが、「ランドセット」という言い方は一般的ではありません。
土地所有者に対しての建築請負が主力事業の会社が、土地が無い方に向けても、土地あっせんから建築請負にもっていくということで名付けたもので、「ランド」(土地)を「セット」に(建築請負を受注する)というもの。



番組自体の最後の論調自体は若干の違和感を感じた部分が多かったものの、取り上げられていた事例は共有したほうが良いと思いましたので、ダメ出しばかりで申し訳ないですが、その部分を少し解説していきます。
(番組では賃貸住宅の需給バランスはもう崩壊しているんだから、これからは地方都市の町おこし・街の再生にしたほうが良いなど、ちょっと話がぶっ飛びすぎでした)


番組で取り上げられていた事例は、茨城県の土地を購入して、1棟アパートを建築して賃貸経営をしているという話でした。

購入初期の物件概要、条件は以下の通りです。
※一部条件は詳細に説明されていなかったので推定となります。

■投資総額 8000万円(土地:1000万円、建物価格6650万円、購入諸費用350万円)
■年間想定家賃収入 576万円(サブリース家賃:530万円、駐車場賃料:46万円)
(入居者からの年間家賃は624万円で、そこからサブリース代として15%かかり530万円となっている)

■融資条件
※収支表では建物建築費用のみの借り入れが記載されており、別途他の収支表をみると、「土地購入返済」で年間72万円行っていることから、この建設会社から何らかの別途借入により土地代金を工面したと思料。よって借入は2本あるということ。

・借入①(建物建築費用関係)
借入金額:6950万円
年間返済額:386万円
※当初金利は2.8%、期間25年

・借入②(土地代金)
借入金額:1000万円
年間返済額:72万円
※返済期間を25年とすると、金利5%以上となる。諸費用ローンなどではこういう金利はありうる。

■その他条件
・30年一括借り上げで家賃保証付き(サブリース)
・30年間賃料はずっと変化しない前提での収支計画が作られている
※注釈には借上げ賃料は変更になると書いているが、営業マンは口頭で大丈夫ですと言い、所有者もそれならと安心していた


【 解 説 】
いくつか問題点がありますので解説します。

1.そもそもの利回り低さ
2.返済比率の高さ
3.サブリース賃料の見通しの甘さ



1.そもそもの利回り低さ
賃貸経営・不動産投資は初期設定でほぼ成果が確定されるものです。
投資開始時の利回りはそこがピークであることが多く、通常は経年とともに下落していきます。
本物件は住居部分をサブリースしており、年間賃料は624万円、駐車場代が46万円、合計670万円となる。

本物件の各種利回りを求めてみます。

表面利回り:670/(1000+6650)=8.75%


駐車場空室率を5%とすれば、駐車場の実効総収入は43万円となる。
サブリース賃料と駐車場実効総収入を合わせると、全体の実効総収入は、530+43=573万円となる。
営業純収益NOIを求める。

NOI=573万円-固都税29.3万円-火災保険料1.8万円=542万円

物件の真の利回りである総収益率は
FRC:542万円/8000万円=6.77%
となる。

今現在の東京圏・大阪圏の新築アパートの利回りと比較すると、当然高い結果となりますが、土地の安さや今後の賃料下落などを考慮すると、高い利回りになっているとは言えません。


2.返済比率の高さ
番組では11年後に返済が苦しくなっている旨の話がありました。キャッシュフローが月1万円強という状態でした。
番組からの資料では当初は2.8%の金利でしたが、途中で1.8%に金利交渉した様子はうかがえます。

購入初期の家賃と返済の比率を見てみます。

年間賃料は年間670万円程度でしたので、

(386+72)/670 =68.35%

となります。

どの程度の返済比率が良いかは、今後の賃料下落などがどの程度見込まれるかにもよりますが、どんなに高くても60%程度ではないでしょうか。
(ちょっと前の会社員向け某地銀で物件購入したケースで、リカバリー効くのがギリギリその水準でした)


なぜなら、賃料下落も起こりますし、そもそも上記賃料は手取りではなく、以下のようなさまざまなコストがかかるからです。

ではNOIと返済の比率ではどうなるのでしょうか。


458/542=84.5%


新築時でこの状況ですから、これでは今後の賃料下落に耐えられるかどうかというと疑問符が付きます。

事実、本件においては一括借り上げ賃料の減額交渉が途中に入り、結果として、築10年たらずでキャッシュフローがぎりぎりまでになってしまっています。

今後さらに賃料下落も想定されますし、築15年以上になってくるとそろそろ大規模修繕が必要になってきます。


上記数値の意味するところは、分母が分子より大きいうちは返済できますが、分母が分子より小さくなったときにはデフォルトするということです。

本件では家賃が15%下がれば返済に窮するということです。


売却できれば良いのでしょうが、そもそも高値で購入しておりかつフルローンであるため、債務との関係で一定金額以上でなければ売却値付けをすることが出来ず、その金額はマーケットアウトになることは容易に想像できます。
要は持っていても毎月手出しがあるし、売却しようにも残債の関係で売れないという厳しい状況に追い込まれるということです。


長くなりましたので、次回に続きます。

次回は一括借り上げ・家賃保証・サブリースの本質的な問題点について書きます。


本日は以上となります。


大和財託株式会社
藤原 正明



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