社長ブログ〜積小為大〜
【新築の数字マジックに注意!】真の利回りを求め、騙されないようにしましょう
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
以前ブログでもお伝えしておりましたが、当社では昨年から保険代理店業を行っており、火災保険などの損害保険と、生命保険を取り扱っています。
損害保険に関しては、賃貸オーナーにとってメリットのある保険を提供することで、賃貸経営上のリスクを極力少なくすることができること、
生命保険については、収益不動産を軸とした資産形成に、サブ的要素で生命保険を組み込むことで、お客様にとってベストの状態が作れるため、
当社で保険事業を行っています。
そして、このたび損害保険会社の三井住友海上様より、新規代理店での保険取扱金額が全国No.1になり、表彰を受けました。
有益な保険をオーナー様にご提案してきた結果が、このような形で全国No.1となり賞を頂くことができました。
これからも、様々なお客様の利益につながるような新規事業を立ち上げてまいりますので、ご期待ください。
さて、本題です。
前回の続きとなります。
「FCR(≒ネット利回り)をきちんと計算しましょう 実例編」についてです。
前回の記事「物件の真の利回りをちゃんとは空きしていますか?」はこちら
不動産投資にて物件を購入する前には、FCR(≒ネット利回り)を当然に求めましょう、という話でした。
FCR=NOI/投資総額金額
◆NOI=満室想定家賃収入-空室損・未回収損-ランニングコスト
◆投資総額金額
物件価格+購入諸費用+購入後の修繕費用などをすべて合算したもの
◆満室想定家賃収入
これは物件概要書に書かれています。ただし、その賃料が現況賃料にあっているかのチェックは必要
◆ランニングコスト
固都税・水道光熱費・火災保険料・管理手数料・修繕費用などビルメンテナンス費用(清掃、消防、受水槽、EV)
これは、本当に基本中の基本なのですが、かなり多くの方がこの計算をせずに、物件を購入されているのが実態です。
良い投資をしていると思っていたら、実はとても高値掴みしていたということが最近よく見ます。
今回は、新築アパートを低利回りで購入してしまっていた事例を紹介します。(実際の事例です)
【新築アパート】
提案資料には、以下のような記載があります。
<賃貸アパート事業計画書>
■場所:大阪市内
■構造:木造
■表面利回り:7.46%
一見すると、今時新築でかなりの利回りかと、思われるかもしれません。
しかし注意書きに以下の記載があります。
※消費税および諸経費を控除した金額で算出しています。
少し資料を読み解いていきます。
■総事業費
土地価格:3500万円
建築費:3600万円(税抜)
建築費消費税額:267万円
事業費合計:7367万円
外構・地盤工事:200万円
諸経費:950万円
総事業費用:8517万円
■満室想定家賃:530万円
■ランニングコスト:90万円
上記情報をもとに計算すると、確かに「消費税および諸経費を控除した金額」で表面利回りを求めると、530万円/(3500+3600)=7.46%となります。
でもこれっていったい、何の意味のある数字なんでしょうか?
お客様は、中古物件でよい利回りのものがなく、新築で7.46%あればかなり良いと思われて購入されておりました。
実際のFCRを求めてみましょう。
NOI=530-90=440万円
FCR=NOI/総投資額
=440/(8517)
=5.17% ※ただし空室損失を考慮せず
いかがでしょうか。
表面利回り7.46%で購入していると思いきや、そこには利回り計算に必要な数値が入っていなく、正確に計算すると、真の利回りFCRは5.17%しかないということがわかります。
※仮に表面利回り的な求め方で、満室想定家賃530万円を物件価格で割った時の、表面利回りモドキは以下の通りです。
(一般的な中古物件の仲介取引では、物件価格の7%が諸経費ですので、それにならった近似値を出します)
530万円/(8517万円/1.07)=6.66%
このように、純収益(NOI)とあらゆる費用を含んだ投資総額を求めて、真の利回りであるFCRを計算しなければ、子供だましの数字のトリックに騙されるということです。
※これは建築請負業の観点からすれば良くある話です。「あこがれの一戸建てが坪38万円で手に入ります!」というような広告をよく目にしますが、よくよく見ると、給排水工事や外構工事など、建物として存在するために必要な項目を抜いて一部分である建築工事部分の価格のみを表示して、安いように見せているわけです。
となれば、不動産投資においても、「利回り10%ですが給排水配管や電気設備、外構部分は除いた時の利回りです!」といっているに等しく、投資としてみた場合、全く意味ありませんし訳が分かりません。
ヒートアップして長くなりましたので、次回は実際に融資を含めた収支を見てみます。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明
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