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社長ブログ〜積小為大〜

投資シミュレーション③ 新築1棟マンション投資

2016.12.24

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毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。

今年最後のブログ更新となります。

平成28年も残すところあと一週間となりました。
毎年感じることですが、年々一年間が短く感じます。

今年を振り返ると、新規で多くの方と新たにご縁をいただけました。

また、当社の社員も去年からは2倍となりました。

来年春卒業の新卒者もすでに2名入社が決まっておりますので、来年4月には30名近くの組織になりそうです。

事務所も拡張移転しようと、現在交渉中です。

会社の業績も好調で、来年からは上場に向けて具体的に動いてきます。(来年5月末締めの今期目標は達成済みです)

上場は平成32年を目標にしています。

これもひとえに、当社の考えに共感いただき当社を信じて物件を購入いただいたお客様、数ある管理会社から当社に管理を委託いただいたオーナー様、当社事業推進のために各方面でご協力いただける取引先様、そして私の志である企業理念実現のために日夜仕事に励んでくれている社員の皆様など、当社・私に関わる全ての方々のおかけです。

本当にありがとうございます。

毎年のことですが、私の翌年のテーマは、過去最高の時間仕事をし、過去最高の質の仕事をするです。

多くの方のご期待に応えるべく、初心を忘れずに滅私奉公の精神で会社の発展のために来年も仕事にあたってまります。

さて、本題です。

前回からの続きで、「種類別投資シミュレーションの実例」についてです。

1.新築区分マンション投資
2.中古区分マンション投資
3.新築1棟投資
4.中古1棟投資

前回は中古区分マンション投資について解説しました。

今回は3についてです。

3.新築1棟投資

今回は、当社に投資相談に来られたお客様から、ある大手企業がそのお客様に提案された物件資料を基にシミュレーションを作成しています。

まずは、試算条件とその結果を示します。

【試算条件】
■場所:大阪府東大阪市
■構造:木造
■築年数:新築(減価償却期間:22年、設備部分15年)
■購入金額:7,520万円(土地:3,100万円、建物:4,420万円、うち設備20%)
■諸費用:554万円
■満室想定家賃:518.4万円(表面利回り:6.89%)*年間空室率:5%、家賃下落率:毎年1%
■運営費用:102万円

■借入金額:7,520万円 (自己資金:554万円…A)
■借入金利:2.55%
■借入期間:35年

■所得税・住民税率:43%
■保有期間:10年
■売却金額:5,900万円(利回:8.02%)

シミュレーションの結果としては、絶対購入してはいけない物件となります。

550万円現金を投入し、10年間運用した結果手残りが160万円と、マイナス390万円になるということです。

購入初期のイールドギャップがわずか0.51%と借入しての投資としてはキャッシュフローが薄すぎます。

イールドギャップが取れなくても、短期間の借り入れで借金を早期に返済する投資手法もありますが、そもそもの利回りが低すぎて、多くの方は完済まで持ちこたえられません。
(そもそも35年融資でのイールドギャップが0.5%程度ですので、短期間融資では手出し幅が大きくなりすぎます。)

そして、新築物件は10~15年程度かけて、10~20%以上賃料が下落します。

今回はシミュレーションをするために、毎年1%下落させ、10年間で8.6%と賃料下落としましたが、10年目の税引き前キャッシュフローはわずか20万円程度です。

ちょっとでも不測の事態、たとえばちょっとした室内小修繕が起これば、税引き前の収支はトントンになります。

新築を全否定するわけではありませんが、この物件は購入してはいけないということは、以上の通り明確に言えると思います。

私であれば木造アパートの場合は、最低でも表面利回り8%はほしいところです。
そうすれば、賃料下落にも耐えられそうです。(エリアがAクラスの立地であれば、8%以下でも良いですが)

逆に言えば、価格さえ合えば新築でも良いわけです。

しかし、今巷に売り出されている新築物件はめいいっぱい融資期間を延ばすことで、とりあえずギリギリキャッシュフローが回る利回り水準の物件がほとんどで、今後の賃料下落や修繕リスクに対応できません。

業者が利益を抜きすぎというのもありますし、原価を下げる努力をせずに職人人件費・資材の高騰をそのまま反映し、そのしわ寄せが投資家に行っているだけです。(私見ですが、上記の例では東大阪の駅もよほど近くないところの木造賃貸が6%後半と、むちゃくちゃです。)

もし新築がご希望であれば、ご自身で土地を仕込み、建設会社数社に相見積もりを取りご自身施主の元建築されると良いです。(今は土地も高いですが)

または、利回りが8%水準の新築物件を購入すべきです。

以上、今巷でよく売られている新築1棟アパート投資についてのシミュレーションと解説でした。

最後に一言。

私が感じるのは、昨今の不動産投資ブームに乗り、なんとなく不動産投資が良いと考え、ろくに勉強せずに業者の言われるがまま投資判断するにわか投資家の方は雰囲気に流されがちということです。

厳しく収支を自ら計算せずに、業者任せの甘々想定の収支表をうのみにして、自宅を購入するような感覚で新築だからという理由で数千万円・数億円の借金を抱える人が多すぎです。

ほぼ間違いなく、こう言った多くの方々は10年以内に収支が厳しくなり大変になると思います。(人生がくるってしまう方も出てくるでしょう)

私も不動産業者ですので当然に物件を売買することで会社に利益がもたらされます。

よって、お客様が低利回りでも購入してくれるように我々業者に都合が良いようにブログを書くこともできますが、それは私の信念に反するのでできません。

お客様に良い物件を購入いただき、儲けていただくことが大前提です。
そのうえで当社もビジネスとして適正利益を頂戴できるというのが私が考える商売というものです。

お客様を陥れる仕事をするくらいなら、私は会社をたたみます。
それぐらいの覚悟で仕事をしなければ、良い物件を提供できないと考えていますし、ひいては当社の発展もないと思っています。

投資家の方々には、ぜひ雰囲気に流されず冷静な判断で投資を行ってほしいと切に思います。

私としては、不動産投資・賃貸経営で失敗せず、資産形成を実現するための方法・考えた方を今後も発信していきたいと考えております。

本日は以上となります。

今年一年ありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願いします。

次回更新は平成29年1月14日(土)となります。

皆さま良いお年を!

大和財託株式会社
藤原 正明

藤原個人のTwitterを始めました。
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@fujiwaramasaaki

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