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社長ブログ〜積小為大〜

民泊について考える2

2016.01.17

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毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。

先日、独立前に修行させていただいた武蔵コーポレーションの大谷社長・太田常務、当時の同期で今は東京で独立しているハウスリンクマネジメントの菅谷社長と新年会を行いました。

場所は、東京の会員制ホテルで一般の方は普段立ち入れない異空間でした。

平成30年の上場を目指している大谷社長から、会社経営について多くの気づきをいただけました。

特に、「人財」については大谷社長がこれまで苦労されてきた経験を基に、経営の本質、一番大切なことを教えていただく機会を得ました。

独立してからもこのようにご縁を頂き、いろいろと指導を頂けることに感謝申し上げるとともに、今後私でできることで恩返しをしていきたいと考えております。

その大前提としてまずは、本業に注力することだと考えますので、一日一日を全力で仕事に打ち込んでいきます。

さて、本題です。

本日は前回の続きで、「不動産投資家からみた民泊2」です。

前回の記事はこちら

訪日外国人の急増により、特に宿泊施設の確保が急務となっており、その解決策として一般賃貸住宅を宿泊施設として貸し出す「民泊」に注目が集まっています。

しかし、現状法整備が追い付いておらず、現在Airbnbなどで実際に民泊事業を行っている方は、旅館業法に抵触しているのが実態です。

当社でも、オーナー様の空室対策の一環として、民泊事業には関心を示しており相当の研究をしています。

しかし、現在の法的に完全にアウトの状態では、許認可業(宅建業)を営む当社としては実際に運営に参入することはコンプライアンス的にできません。

(当社が社会的制裁を受けるとお客様にも迷惑がかかります)

今後法整備が進んでからの参入でも良いとの考えです。

(もちろん、今やれば先駆者利益は取れると思いますが、法を犯してまでやろうとは思いませんし、先駆者利益もあと1年あるかないかだと思います。)

関西圏を中心に現状を整理します。
(調査には当社顧問弁護士・司法書士の先生に協力を仰いでいます)

ご存じの部分も多いかもしれませんが、今後条例等が制定されていくであろう「民泊」と「旅館業法」の「簡易宿所」の違いについて、まず記載致します。

大阪府・兵庫県・京都府に関しては、国家戦略特区法により、民泊の特区として指定されており、近い将来民泊の制度を定めた条例が制定されることになると思います。

大阪府に関しては既に民泊条例が制定され、本年4月1日より申請受付が開始される予定です。

この大阪府の条例は、政令指定都市や中核市には適用されませんので、大阪市・堺市・東大阪市・豊中市・枚方市には適用がありません。

また吹田市等一部市町村は、そもそも民泊を受け付けない方針とのことです。

大阪市は、丁度昨日1月15日に民泊条例が可決されました。
(但し、施行日は10月以降とし、他都市での状況次第では延期や内容変更もあり得ます。)

しかし、「民泊」については注意が必要です。

いわゆる民泊条例は、まず「外国人」を対象としたものです。
よって、民泊条例に基づき、届出(許可)を行った物件において日本人(日本在住の方)を宿泊させることはできません。
(大阪市条例は日本人もOKの内容となっている)

また、期間が最低7日以上と定められていますので、訪日外国印の平均宿泊数3~4泊は受け入れることができないことになっています。

今後、例外も規定される可能性は十分にありますが、上記の点がネックになりそうです。

日本人(日本在住の方)や短期宿泊者をターゲットにするには、「民泊」ではなく、今後も「旅館業法」の「簡易宿所」の許可を取得する必要がでてくると思われます。
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「民泊」の届出(許可)の要件はまだ明確に定まっていませんが、「旅館業法」の「簡易宿所」よりも相当にハードルは低くなると思います。

では、「旅館業法」の「簡易宿所」の許可を取得を目指す場合、おそらく最大のハードルになると思われるのが、「建築基準法」に適合している物件でなければならないとの要件になるかと思います。

現状において、検査済証の交付を受け、その後増改築していなければ最初の段階はクリアとなります。

これに対し、そもそも検査済証がない場合や、増改築部分に検査済証がない場合は建築士に物件が現状、建築基準法に適合しているとの証明をしてもらう必要があります。
相当の費用がかかります

次に、簡易宿所に供する部分が100㎡を超える場合は、その部分について、「建築基準法上」の「用途変更」の申請が必要となります。

尚、「旅館業法」の「簡易宿所」の許可については、一棟全てで許可を取得する必要はなく、建物の一部でも可能です。

但し、他の用途部分との区分けは要求されておりますので、一般入居者と混在するような場合は部屋数にもよりますが、許可の取得が難しくなります。

(例えば、2階・3階の全てについて「簡易宿所」の許可を取得するという方法はあり得るかと思います。)

その他、平米数(現状33平米以上)や部屋数その他設備に関して、さまざまな要件がありますが、このあたりは、具体的に市町村の許可担当者と折衝していく必要がありますが、対象方法も多数ありますので、必要最小限の設備を整えていけば超えられる可能性は高いと考えています。

許可取得後について、売却された時についても注意が必要です。

この「旅館業法」の「簡易宿所」の許可は、物件の所有権移転に付随するものではありません。

よって、買主は「簡易宿所」を継続しようとすれば、新規で許可を取得する必要があります。
(既に提出している書類がありますので、全て新しく整える必要はありませんが形式上このようになっています。)

所有権移転時における「簡易宿所」を継続には、注意が必要かと思います。(許可が途切れる可能性があります。)

「簡易宿所」をやめる場合、取得時に「建築基準法上」の「用途変更」を行っていた場合は、この「用途」についても再度変更する必要が生じる可能性があります。

(保有しているときは、そのままでも問題ないかとは思いますが、売却時には必要となるかと思います。)

以上、長文となりましたが現状を整理してみました。

いずれにせよ、予定では今年の秋ごろから順次条例が施行されますので、施行されればグレーゾーンが白黒はっきりしますので、条例内容に外れる民泊事業者は法的に裁かれることになります。

(そういった意味では、リスクを冒してまで今民泊事業をやるのは最後のチャンスかもしれないですが)

当社としては、今のところ民泊事業はやりませんが、逐次各方面から情報収集を行い、法的な問題がクリアになれば、賃貸管理事業の一部として行う予定です。

引き続き情報発信してまいります。

本日は以上となります。

大和財託株式会社
藤原 正明

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