社長ブログ〜積小為大〜
地主の方のアパート投資は高利回り?
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
朝晩冷えるようになってきましたね。
食欲の秋でもあるので、一般的には、少し油断すると体重超過になりやすい時期です。
でも、私は常に70キロに保つことが出来ています。
運動しているのも理由ですが、食事でいうと、夜は炭水化物をとらいないことを徹底しています。(お酒は毎晩飲みますが)
これだけで、ウエイトコントロールは結構うまくいきます。
不動産ネタではないのですが、これからの望年会シーズンに向けて意識していただけると良いと思います。
私もこれから社内外の望年会に参加予定ですので、今から身体を仕上げてまいりたいと考えております。
では、前回の流れをくみ、「新築物件の真の利回り」について書いていきます。
前回の記事はこちら
今回は、地主さん向けの内容になりますが、考え方は参考になると思いますので、読み進めていただければと思います。
【物件概要】
平成20年築 木造 土地60坪 建物延面積50坪
施工は某ビルダー
この売主さんは地主で、もともと自己所有の土地60坪に、土地活用との理由でアパートを建設したようです。
ここからは推測ですが、この売主さんの状況を考えてみます。
新築時の建築コストは、
坪75万円(給排水、外構、地盤改良、設備費用など込)×建延面積50坪 =3,750万円
(施工単価はメーカーによって異なります。一番安くする方法は施主の分離発注です)
新築時の家賃は前回のレントロールから推測すると、
5.8万×8戸×12か月=556万円/年
表面利回りは、
556万円/3750万円 = 14.8%
となります。
これだけを見ると、地主さんもすぐにゴーサインを出しそうですね。
実際、多くの地主さんが上記のような提案によって、賃貸アパート・マンションを建てています。
では、この地主さんは本当に表面利回り14.8%の投資をしていることになるのでしょうか。
答えは「否」です。
土地コストの考えが抜けております。
「でも、もともと地主であったわけだし、土地仕入コストはかかってないのでは?」との声が一部あるかと思います。
しかし、実際はこの地主さんは土地コストを負担しています。
考え方としては、「本来他に使い道のあった当該土地を、アパート用地として使用している」ということです。
具体的には、当該土地を駐車場として貸し出すこともできますし、売却して現金化し他の投資に回すこともできたわけです。
それをアパートを建てたことで、できなくなったわけですから、土地コストは地主さんも負担していることになるのです。
数字に置き換えてみます。
本物件は大阪市周辺都市で、土地の平均坪単価は50万程度です。
本物件の土地面積は60坪につき、土地代は「 50万円/坪 × 60坪 =3000万円 」となります。
よって、本来現金化すれば3000万円を別の投資に回すことができたものを、アパート用地として投資したことに等しくなります。
土地コストも考慮して、新築アパートの投資パフォーマンスを見ると、
年間家賃収入556万円 / (建築コスト3750万+土地コスト3000万) =8.23%
よく見かける、新築建売アパートとなんら変わらなくなりました。
土地相場が安い地方で有れば、利回りは上がりますが、いずれにしても、地主の方が新築アパートを建築した場合でも、それほど投資パフォーマンスは高くなりません。
相続税対策としてのアパート建築には意味があります。
しかし、相続税評価額を下げることに成功したとしても、そのあとの賃貸経営が滞れば、相続税が発生する前に、売らざるを得なくなります。
常に数字に落とし込み、投資パフォーマンスを見ることが大切ということです。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明