社長ブログ〜積小為大〜
空室率の考え方② ~空室率を適正に想定すると良い物件が買えます~
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
賃貸マーケットが動いています。
先月決済した物件は、駅遠・3点ユニットの物件でしたが、私のこれまでの経験から、入居者は普通に決めることができると考え、お客様にご購入いただきました。
(土地値以下物件ですので、出口も見えています。)
私の想定通り、入居者募集活動から1週間で申し込みが入りました。
ちなみに募集条件は変えていません。
逆に前オーナーが付けていた、保証会社加入費用オーナー負担をなくし条件を厳しくしました。
私の経験は、埼玉の武蔵コーポレーションさんでのものですが、独立前に兵庫と大阪にある自分の物件でも、武蔵さんでのノウハウを導入し入居者募集活動をおこなったところ、すぐに空室が決まったので、自信はありました。
地域差があるとはいえ、同じ日本ですので、当たり前といえば当たり前です。
残り2室を今月中に決めオーナー様に喜んでいただけるよう、活動の量と質をより上げていきたいと考えております。
さて、本題です。
前回のつづきで「空室率の考え方」についてです。
前回の記事はこちら
一部の投資家の方は、空室率を20%で考え投資判断をしているようです。
これは、某金融機関が収益還元評価を算出する際に、満室想定家賃に空室率20%の負荷をかけていることが原因と思います。
また、多くの書籍・ブログなどでも、これらのことが当然のごとく語られているのも要因としてあると考えます。
私も6年前から一投資家として、不動産投資を行っておりますが、実は当時は20%を信じて採用しておりました。
ただ、管理会社の立場で、4000戸のプロパティマネジメントを行ってきた経験から、空室率20%という数字は、安全率を見過ぎだという結論にいたりました。
よって、当社が収益物件のご提案をする際には、空室率を20%ではなく、5~10%と想定してシミュレーションしております。
想定が甘いのではないかとうお声もあるので、簡単な例を示したいと思います。
モデルケースとして、1K× 10戸 の物件で考えてみましょう。
空室率20%とお考えの方は次のような状態を想定されます。
10月の入居状況:入居済み8戸、空室2戸
確かに、このような状況は一時的には考えられます。
しかし、投資判断するときの利回りや金利などは最低「年」単位で考えるのが普通です。
(本当は売却時も含めた全保有期間で考えます)
であるならば、空室率も年単位で考えるのが自然というものです。
年単位で空室率20%を見てみましょう。
ここで新たな考え方として、年間貸出可能戸数というものを示します。
年間貸出可能戸数=10戸×12か月 =120戸/年
空室率20%時の年間空室戸数=120戸×20%=24戸
年間24戸の空室がある状況を具体的に示してみます。
・2戸が12か月空室であった (2×12=24戸)
・3戸が8か月空室であった(3×8=24戸)
・4戸が6か月空室であった(4×6=24戸)
・6戸が4か月空室であった(6×4=24戸)
等々
どうでしょうか。
4000戸・300棟の物件を管理してきた経験から、まずありえない状況です。
(※自殺、天変地異などの場合はあり得ますが。)
単身者タイプの物件では、多くても年間1-2戸退去が発生する程度です。
2戸が12か月も空いている状況は、その状況を放置していることのほうが問題です。
何か対策を打ってでも(仮にそれが支出を伴うものであっても)、入居してもらうほうが投資期間中全体のCFを見た際にはプラスです。
※空室を放置することは、本来得られるはずであったお金をドブに捨てているようなものです。
では、私が投資判断時に採用している5-10%ではどのような状況が想定されるでしょうか。
120戸×10% =12戸
・1戸が12か月空室であった
・2戸が6か月空室であった
・3戸が4か月空室であった
等々
厳しいエリアでは上記の状況が起こり得なくはないと思います。
よって厳しいところでも10%程度見ておけばよいというのが私の考えです。
なぜ、今回この記事を書かせていただいたかというと、投資に対しての安全を見るのは良いのですが、見すぎると物件は買えないからです。
安全を見すぎたがために、物件を買えない方がとても多くいらっしゃいます。
一方で、適度な安全率を自ら設定し、物件を買い増しし、資産を築いていらっしゃるお客様もいてます。
人生は有限で、限られた時間の中で物件を保有しその期間中のインカムゲインおよび売却時のキャピタルゲインを得るのが不動産投資ですので、早く物件を保有したほうがインカムゲインの機会が多くなります。
私自身も20代から不動産投資を始めたこともあり、良い結果を得ることが出来ております。
不動産業者の立場からこのようなことを書くと、売り込みみたいになってしまいそうですが、お客様と面談していると、そのように感じることが多々ありますので、今回あえてブログで書きました。
参考にしていただけたら幸いです。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明