社長ブログ〜積小為大〜
手取り収入を確実に把握する
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
先週、懇意にしている首都圏を地盤とする不動産・建築会社の経営者の方と様々な情報交換を行いました。
融資の件については、首都圏での融資の引き締めが、ますます顕著になってきたとのことでした。
(先週は不動産向け融資に積極的だった信用金庫に監督省庁の立ち入り検査が入ることになったと報道)
特に、サラリーマン向け融資はノンバンクかアパートローンで有名な1社のみとなり、物件価格に対し一定の自己資金を投下できなければ、収益物件を購入することは難しくなりました。
※区分マンションは信販系が融資を出しますので購入できますが、利回りの低さを考慮すると購入するべきではありません。
一方、会社経営者や医師、一定の金融資産を持つ方に対しては融資は変わらず出ている状況です。
関西圏においては首都圏ほどではないですが、サラリーマン向け融資はどんどん厳しくなってきつつあり、一方高属性の方への融資は全く問題なく出ています。
※ただし、当社の場合はサラリーマンの方にもアパートローン以外の金融機関でも融資を提供することが可能となっております。
このような状況を鑑み、当社では首都圏への進出を来年以降にも開始することにしました。
とはいえ、首都圏の物件を提供するのではなく、当社地盤の関西圏の物件を融資とセットで首都圏の方々に提供する拠点を作るということです。
首都圏など関西以外にお住いの方に対しても、全く問題なく融資付けを行うことが可能です。
実際、当社の集客手法はインターネットのみですので、今でも首都圏在住の方が当社顧客になっていただいているのですが、やはり拠点がないことでのコンサルティングのし難さはあると感じていますし、顧客側も密なコミュニケーション、コンサルティングを求めていますので拠点が必要という判断になりました。
その絡みもあり、今後当社では業務提携している首都圏の会社が開発した物件を仲介という形にはなりますが、紹介できる体制も合わせて作りました。
創業6年目に入りましたが、当社が創業時から大切にしてきた地に足の着いた事業展開、顧客ファーストの経営方針により、昨今の融資事情の変化に影響を受けない経営基盤を構築することができたと自負しております。
融資が出ない今だからこそ、資産運用・資産形成を希望する一人でも多くの方に当社サービスを提供することが、社会貢献に寄与できるものと考えております。
詳細決まりましたら、またプレスリリースいたします。
さて本題です。
本日は、「正確に手取り収入を把握する」です。
先週までは一般的な利回りである表面利回りについて複数回にわたり解説してきました。
今回は、真の利回りを求めるに際しての途中ステップである正確な手取り収入について解説いたします。
■真の利回り:総収益率FCR
物件の真の投資パフォーマンスを表す指標は総収益率FCRによって表されます。
この数値の意味するところは、物件を全額現金で購入したならば、所得税・住民税などが引かれる前の手取りは投資総金額×FCRで求められる金額になるという事です。
表面利回りではこういう計算は成り立ちませんので、投資する大前提としてFCRを求めずして、投資判断することはあり得ないことなのです。
FCRを求めるには段階を踏む必要があるため、順を追ってみていきます。
・ステップ1 真の収益を知る
年間家賃収入がそのまま手残りになるわけではありません。
ここで言う年間家賃収入は、一年中満室であることを想定していますので、年間満室家賃収入と言葉を置き換えます。
賃貸経営を行っていくと、空室が発生したり、家賃滞納が発生したりと収入が変動します。
空室損失・滞納損失を考慮した収入を実効総収入と呼びます。
実効総収入=年間満室家賃収入 - 空室・滞納損失
さらに、不動産を所有すると様々なコストがかかってきます。
固定資産税・都市計画税
建物維持管理費(清掃、各種設備法定点検)
水道光熱費
管理会社への手数料
原状回復費用
賃貸仲介業者への広告料、事務手数料
などなど
株式投資などではこういったコストはないわけで、不動産投資の知識が全くない人は入ってきた収入がそのまま残ると思いがちです。
正確にはこのコスト(運営費)を支払ったのが手残りになります。
これを営業純利益:NOIといいます。
営業純利益NOI = 実効総収入 - 運営費
不動産投資が不動産賃貸事業と言われる所以でもあります。
これで手残りの金額が出ました。
※もし、物件を現金で購入したならば、NOI=手取りになるのですが、多くの方は融資を利用すると思いますので、実際にはここから金融機関への返済をする必要があります。
最終的には、所得税・住民税がかかりますが、税金が引かれる前の税引前キャッシュフロー(CF)は次の通りとなります。
税引前CF = NOI - 金融機関への返済金額
利回り計算をする上では、この手残りでする必要があるのは当然とご理解いただけると思いますが、巷には業者・一般投資家問わず、意味のない、タラレバの年間満室想定家賃ベースで利回り計算しそしてそれを信じ投資しているのが現状です。
ちょっと長くなりましたので、次回に続きます。
次回は総収益率FCRと融資利用時に求める必要があるローン定数Kの解説を行います。
大和財託株式会社
藤原 正明
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