社長ブログ〜積小為大〜
金利が上がると不動産投資はオワコンになるのか
先月、日銀は政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げることを決定しました。
今後の金融政策や追加利上げの可能性にも注目が集まる中、「金利が上がれば不動産価格は下がる」「不動産投資は厳しい時代になる」といった論調も見られます。
確かに、金利が上がれば借入返済額は増えます。
しかし、それだけを見て不動産投資を判断するのは早計です。
不動産価格は、
・純営業収益(NOI)
・還元利回り(キャップレート)
の2つで決まります。
つまり、金利だけではなく、賃料や純営業収益の変化も合わせて見なければ、本当の投資判断はできません。
例えば、以下の条件でシミュレーションしてみます。
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【物件概要】
物件価格 :1億円
購入諸費用 :500万円
年間満室想定賃料:670万円(表面利回り6.7%)
空室率 :2%
運営費 :年間満室想定賃料の20%
【資金計画】
自己資金 :1,000万円
借入金額 :9,500万円
借入金利 :2.0%
借入期間 :35年
返済方法 :元利均等返済
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この条件では、
・NOI :523万円
・年間元利返済額 :378万円
・税引前キャッシュフロー:145万円
となります。
仮に、政策金利が0.75%から1.5%まで0.75%上昇し、
借入金利も同様に0.75%上がり2.75%になったと仮定するとどうなるでしょうか。
・年間元利返済額 :434万円
・税引前キャッシュフロー:89万円
となり、
年間で56万円税引前キャッシュフローが減少します。
この数字だけを見ると、「やはり金利上昇は厳しい」と感じるかもしれません。
しかし、本当に見るべきなのはここからです。
インフレに伴って賃料が10%上昇し、NOIも成長したらどうなるでしょうか。
賃上後の年間満室想定賃料 :737万円
賃上後のNOI :575万円
賃上後の税引前キャッシュフロー:141万円
増加した返済負担の大部分を吸収し、税引前キャッシュフローは現在とほぼ同水準まで回復します。
つまり、インフレ下においては、金利だけを見るのではなく、NOIも同時に見る必要があるということです。
では、本当に賃料は上がるのでしょうか。
当社では現在約10,500戸の賃貸住宅を管理しています。
この1~2年の管理実績を見ると、退去後の賃料改定では平均4,000円超の賃料アップ、更新時でも約60%の住戸で平均4,000円の賃料アップを実現しています。
平均賃料が約6万円ですので、約6~7%の賃料上昇です。
物件によっては、これ以上に賃上げ出来ている物件も多数あります。
また、当社が8年前に新築した当社第一号の木造アパートでは、
販売当時は「築年数の経過とともに賃料は毎年下落する」という前提で事業計画を作成していました。
しかし、8年後の現在、当時の想定とは異なり賃料は上昇しています。
もちろん、これは全ての物件で賃料が上がるという意味ではありません。
エリアや物件によって、その差は今後ますます大きくなるでしょう。
だからこそ重要なのは、
「利回りが高い物件」
ではなく、
「賃料を上げられる物件」
を選ぶことです。
過去30年間、日本はデフレでした。
そのため、「築年数が経てば賃料は下がる」という考え方が常識でした。
しかし現在は、
・物価上昇
・賃金上昇
・建築費上昇
というインフレ局面へ移行しています。
今後も利上げが進み、その後も緩やかなインフレが続くのであれば、
不動産投資にとって必ずしも悲観する環境ではないと私は考えています。
むしろ、インカムゲインを享受しながら、物件によっては不動産価格の上昇によるキャピタルゲインも期待できる市場へ変化していく可能性があります。
金利上昇によって投資家が求めるキャップレートが多少上昇したとしても、それ以上にNOIが成長すれば、不動産価格は上昇する可能性があるからです。
重要なのは、金利が上がるかどうかではありません。
金利上昇を上回るペースでNOIを成長させられる物件かどうかです。
金利は自分でコントロールすることはできません。
しかし、どのエリアで、どのような物件を選ぶかはコントロールできます。
これからの不動産投資は、
「高利回り物件を探す時代」
ではなく、
「賃料を上げられる物件を選ぶ時代」
へ変わっていくと私は考えています。
当社も、そのような視点で商品開発、建築、賃貸管理を行い、
お客様に長期的な経済的メリットを提供し続けてまいります。
大和財託株式会社
藤原 正明