社長ブログ〜積小為大〜
ウクライナ戦争による木材への影響
大和財託の藤原です。
マンボウ(まん延防止等重点措置)が終わりました。
感染者数はいまだに多いですが、現在のオミクロン株の特性を考えると本当に何をしていたんだろうと感じざるを得ません。
以後、こういった誤った対応が無いように切に願っています。
諸外国でもウィズコロナになっていますので、日本も追随するべきですし、ただでさえ超アゲインストの経済状況なわけですので、待ったなしで経済再生に舵を切るべきです。
疫病対策のみならず、給付金などの対応を見てもいかに選挙が大切かということを痛感します。
私はオジサン世代になっていますが、私の先輩方々には申し訳ないですが、人間は未来のために生きるので、とにかく少子化対策、子育て世代への対策、教育対策に予算をかけるべきというのが私の持論です。
どこかの世代が痛みを伴うわけで、高齢者を優遇し現役世代に痛みを伴わせれば将来の日本は悲惨な状況になります。
いまこそ聖域なく改革を行いシルバー民主主義からの脱却を図るべきかと思います。
私自身、ライフワークは大和財託を日本を代表する企業にすることですが、一定のめどが立てば、もしかしたら政治の世界に行くかもしれません。
世の中に役立つことをしたい、という共有の思いからです。
まずは、当社の経営に注力してまいります。
本題です。
ウクライナ戦争による木材への影響
についてです。
ロシアによるウクライナ侵攻により経済的な混乱が多々起きています。
もともとの資源高、円安の影響に加え、昨年から続くウッドショックなどなど、トリプルパンチの状況になっています。
本日は、木材の在庫状況と価格について、現在のリアルな状況をお伝えします。
※3/18時点での情報で今後事態が急変することもあります。
前提知識をまず記します。
日本においての木材流通は、多くは問屋を通じて行われ、問屋は現地業者と一定期間の値段を値決めし仕切っています。
なので木材流通価格には価格の遅効性があり、今起こっていることが価格に転嫁されるのは半年程度先となるのです。
言い換えると、現時点においては半年後までの見通しは立てられる、ということです。
全体的な価格動向をお伝えします。
第1クォーター(4~6月)においては横ばい傾向になります。
横ばいと言っても現在のウッドショックが始まる前に比べると、木材価格は1.5倍程度にはなっており、一般的な木造建築物における木材原価の占める割合は平時で10%程度であったので、建設会社としては粗利確保がしにくい状況には変わりはありません。
当初の見立てでは第2クォーター(7~9月)から木材価格が値下げに向かう見込みでしたが、ウクライナ紛争がぼっ発、さらに落ち着くと思われていたアメリカ住宅需要が今でも好調なこと、夏にかけて着工が増えることなどの影響を受け、一部種類の木材に関しては価格が上昇してくる可能性があります。
ただし、昨年からのウッドショックのような、数か月に2倍3倍になるような急激な上昇は起こらない見込みです。
サプライチェーンの混乱は以前よりは落ち着きを取り戻しており、木材が全く入らず着工できない、という事態は解消されています。
高い金額で木材を買えば一応材料確保はできる状態ではあります。
ウクライナ戦争の影響を受ける部材としては、赤松と合板類です。
各部材ごとの今後の傾向を以下にまとめました。
【各部材ごとの今後の傾向】
■構造材(土台・梁桁・管柱) 第2クォーター(7~9月)価格横ばい傾向
土台 ヒノキ 横ばい
柱 杉集成材 横ばい
梁 米松KD 横ばい ※今後アメリカ住宅好調の影響を受ける恐れがある。
■羽柄材(垂木・胴縁・下地材) 第2クォーター(7~9月)価格横ばい傾向
垂木他 ポプラ 横ばい
■合板 ※合板に関しては全体的に以前から需給がひっ迫しており物量確保次第で工期に影響が出る可能性(リフォームでも利用のため)
・針葉樹床合板
t6~t28㎜が現時点で品薄、価格高騰しているが、ロシアからの禁輸が発表されたため、メーカーは国産材で補う方針。
今後さらに品薄状態は続くが、現在高値止まりと言われており、第2クォーター(7~9月)は微増の予想。
・パーチクル床合板
現在品薄、価格高騰の上、製造工場で火災があり製造に大きな影響がでているが、今後さらに品薄状態は続くが、現在高値止まりと言われており、第2クォーター(7~9月)は微増の予想。
・OSB壁合板
カナダからの輸入でアメリカの住宅好調+コンテナ不足により品薄、高値傾向。
第2クォーター(7~9月)は価格微増の予想。
当初の期待は、春以降はウッドショックが収束してくるというものでしたが、高値維持か部材によっては微増になることが濃厚ということです。
このような建築資材暴騰の状況を反映してか、現在販売されている1棟新築木造アパートの利回りはだいぶ低下してきています。
例を挙げると、以前であれば表面利回り7.5%くらいが相場だったところが、現在は6.5%前後になっています。
あるいは開発事業者の事業収支を成り立たせるために、住戸の企画を狭小(17平米とか)にしたり、物件規模が大きくなっている傾向が顕著です。
※狭小にすると平米賃料が高くなり一見利回りを成り立たせやすいが、中長期的には空室長期化・賃料下落は確実です。
※物件規模を大きくすると1戸当たりの建築原価が抑えられるので事業化しやすいですが、販売価格が大きくなりすぎると買い手が限られ、その買い手の出口も困難になるのでお勧めしません。
当社の場合、製販一体のデベコン会社です。
不動産開発会社としてのデベロッパー機能、そして建設会社としてのゼネコン機能が当社にはあります。
そして建設機能に関しては、5年間私もプロフェッショナル社員と突き詰めてやってきましたので、品質と価格に絶対的な自信があります。
木造、鉄骨造、RC造を自社で設計施工できるので、日本を見渡しても収益不動産領域でここまでできるデベコン会社はないと思います。
よって、今般のウッドショックやウクライナ戦争によって建築原価が上がっても、当社は販売価格に転嫁せずとも事業化し物件提供が可能なのです。
※先日、一般投資家向け融資に強い某金融機関から「大和財託さんの新築物件は他社と比べて利回りがめちゃ高くてフルローンが普通に通るんです」とのお言葉をいただいております。
以上、本日はウクライナ戦争による木材への影響について解説しました。
今後も動向には注視しタイムリーに共有させていただきます。
大和財託株式会社 藤原
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