社長ブログ〜積小為大〜
融資レバレッジを数字で知る 1
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
ご周知のとおり、2025年国際博覧会(万博)の開催地に大阪が選ばれました。
誘致にあたっては、当社も誘致委員会オフィシャルパートナーとして、費用面・活動面で微力ながら応援しておりましたので、会社としてそして私個人として、今回の決定はとてもうれしく、そして興奮しています。
大阪では万博のほか2024年IR誘致などもあるので、その経済効果は計り知れない規模になり、東京一極集中が続く我が国において、地盤沈下が続いていた大阪・関西圏が再び商都として輝きを取り戻す起爆剤になると信じています。
万博開催にあたってより大きな応援ができるよう、当社はこれからさらに事業を発展させてまいります。
さて、本題です。
前々回からのつづきとなります。
本日は、「融資レバレッジを数字で知る その1」です。
前回は物件の真の利回りについて解説いたしました。
前回の記事はこちら
今回は不動産投資ならではの、融資を利用した際の投資効率の見方について解説いたします。
今回は自分のお金に対して、何倍の利回りがあったかを示す指標についてです。
※最近新たな読者層の方々が増えており、過去のブログをご覧いただけれれば良いのですが、そういう方ばかりではないのでこうして改めて発信させていただきます。
■CCR (Cash On Cash Return)
投資・資産運用をしようとした場合は、自己資金で行うのが一般的です。
(一部、先物や株では信用取引・空売りなどがありますが)
不動産投資がほかの投資より優れているのは、融資を利用できるからです。
言い換えると、他人のお金で資産運用が出来、他人のお金を運用することで出た投資利益の一部を投資家が受け取ることができ、結果的に投資パフォーマンスが劇的に高まるわけです。
よって、不動産投資においては、前回解説した物件の真の利回りであるFCRを求めるだけでは不足しており、自分が投下した現金に対してどういうリターンがあったかを知る必要があるわけです。
自己資本をE(エクイティ)とすれば、自分のお金に対するリターンはCCRという数値で表すことができます。
CCR = 税引前キャッシュフロー / E 【%】
これだけではわかりにくいので、ちょっと例を示します。
ケース1では自己資金1000万円で中古区分マンションを現金購入した場合、ケース2では自己資金1000万円、借入9000万円で1棟マンションを購入した場合で自己資本の投資効率を比較します。
■ケース1
購入物件:中古区分マンション
物件価格:950万円、購入諸費用:50万円
年間家賃収入:100万円、運営費:30万円
税引前CF = 100 -30 = 70万円
CCR = 税引前CF70万円 / 自己資本E 1000万円 = 7.0%
当たり前のことですが、自分のお金1000万円を投下して、年間で70万円のキャッシュフローがあったので、単年で見た場合の自己資金に対する利回りは7%であるという事です。
■ケース2
購入物件:中古1棟マンション
物件価格:9500万円、購入諸費用:500万円
年間家賃収入:1000万円、運営費:300万円
借入金額:9000万円 金利:2.0% 期間:25年
年間返済額:457万円
税引前CF = 1000 - 300 - 457 = 243万円
CCR = 税引前CF243万円 / 自己資本E 1000万円 = 24.3%
このように、現金購入時と比べて、4倍近く投資効率が上がりました。
この数字だけでは投資全体の評価にはなりませんが、二つのケースを比較すると、不動産投資による借入により自分のお金が効率よく働きお金をもたらしてくれることが良くわかります。
注意点としては、この投資指標のみで投資判断することは危険が伴うという事です。
悪意ある業者は、この指標のいい面だけを前面に出して物件を売り込んできますので注意が必要です。
危険な例を一つ出してみます。
■ケース3
購入物件:中古1棟マンション
物件価格:29000万円、購入諸費用:1000万円
年間家賃収入:2400万円、運営費:720万円
借入金額:29000万円 金利:2.0% 期間:25年
年間返済額:1475万円
税引前CF = 2400 - 720 - 1475 = 205万円
CCR = 税引前CF205万円 / 自己資本E 1000万円 = 20.5%
現金1000万円と比較すると、3倍近く投資効率が上がっていますが、これは危険な投資です。
理由はいろいろあるのですが、ぱっと見でわかるのは返済比率が高すぎるという事です。(返済比率は60%を超えています)
最近まで続いた不動産投資ブームでは、このように少ない自己資金により、大型の物件を購入することでCCRを高め、「高い投資効率です!」等と謳い、販売されたケースがかなり多いです。
しかし、物件そのものの利回りの低さ、返済比率の高さ、今後の賃貸付の見通しなど、問題のある投資が多く、今後数年以内に問題が顕在化することを予想しています。
次回は、融資を伴う不動産投資おいてのより突っ込んだ投資分析指標を解説します。
それにより安全性なども評価可能となります。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明
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