社長ブログ〜積小為大〜
不動産投資の見えないキャッシュフローとは? その2
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
台風一過の大阪はまた暑さが戻ってきています。
多くの方はお盆休暇に入られていることかと思います。
当社も明日から夏季休業に入ります。
私も2年ぶりに実家に帰る予定としております。
孫の顔を両親・親戚に見せたいと思いますし、墓参りをしてこれまでのことを先祖に報告してまいります。
起業して一年以上が経過しましたが、未だに当時の勢いのまま仕事をしていますので、夏季休業期間中は少し休んで充電してまいります。
休暇明けには、フル充電で仕事に臨んでまいりますので、どうぞご期待ください。
(海に行きますので、どす黒くなってきます)
さて、本題です。
前回の続きでとなります。
(前回の記事はこちら)
「不動産投資の見えないキャッシュフロー その2」
現在の日本国内不動産投資は、保有期間中の利益(インカムゲイン)を得ることを目的とし、行っている方が多数だと思います。
そして、投資をするからには、インカムゲインである税引後CFを最大化することが大切ということは疑いの余地はないと思います。
しかし、不動産投資にはもうひとつ隠れた利益があり、それは元金返済金ということを前回の記事でご紹介しました。
今回は、具体例を示してご紹介いたします。
借入の返済期間の違いで、保有期間中の税引後CFおよび売却後の最終損益に違いが出るのかを理解いただけると思います。
■共通条件
・物件について
平成5年築 重量鉄骨造
物件価格:10,000万円(土地:建物=50%:50%)
家賃収入:1,000万円(表面利回り10%)
運営費 :250万円(空室率考慮済)
純営業収益 :750万円(ネット利回り7.5%)
・諸条件について
借入金額:9,000万円
自己資金:1,000万円
購入諸費用 :700万円
借入金利:2.0%
返済方法:元利均等
保有期間:10年間
売却金額:8,000万円 (表面利回り12.5%)
所有者適用税率:50% (所得税・住民税)
上記に、つぎの2パターンの条件を付し、収支シミュレーションしていきます。
・返済期間
①20年
②30年
途中の計算は割愛しますが、それぞれの保有期間中の税引後CFは次の通りとなります。
①20年返済の場合
1年目 税引後CF=56.9万円 累積CF56.9万円
2年目 税引後CF=53.2万円 累積CF110.2万円
3年目 税引後CF=49.4万円累積CF159.6万円
2年目 税引後CF=53.2万円 累積CF110.2万円
3年目 税引後CF=49.4万円累積CF159.6万円
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10年目 税引後CF=20.5万円 累積CF392.5万円
②30年返済の場合
1年目 税引後CF=204.8万円 累積CF204.8万円
2年目 税引後CF=202.6万円 累積CF407.4万円
3年目 税引後CF=200.3万円 累積CF607.7万円
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2年目 税引後CF=202.6万円 累積CF407.4万円
3年目 税引後CF=200.3万円 累積CF607.7万円
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10年目 税引後CF=183.0万円 累積CF1942.2万円
10年目 税引後CF=183.0万円 累積CF1942.2万円
このように、②30年返済が圧倒的にCFを生み出すことが分かると思います。
では、本物件を売却した時の税引後売却CFを比較してみましょう。
①20年返済の場合
税引後売却CF:2,667万円
②30年返済の場合
税引後売却CF:1,040万円
このように、①20年返済の条件が税引後の手残りが多いことが分かります。
これは、前回からお伝えしている、毎月元金返済が進むことにより、売却金額のうち金融機関に返済する金額が少なくなるからです。
不動産投資の最終的な成果の評価は、保有期間中の累積CFと売却時のCFの総和で求められます。
最終利益=保有期間中税引後累積CF + 税引後売却CF
①20年返済の場合
最終利益=3,060万円
②30年返済の場合
最終利益=2,982万円
となります。
結果としては、どちらもそれほど大きく変わらないということになります。
(②の場合、利息を多く払うため金額は少なくなります。)
これらのシミュレーションから分かることは、返済期間が短いことで保有期間中のCFが少なくても、もう一つの利益の潜在CFである元金返済は進むため、最終的に受け取る金額には差がないということです。
※ただし、最終的に受け取る金額が同じとはいえ、投資効率を考えると返済期間は長くが基本です。
現在受け取る100万円と10年後に受け取る100万円では、当然に前者のほうが価値があるからです。(現在価値の考え)
最終的な投資効率を表す内部収益率IRRを比較すると
①20年返済の場合 →IRR 6.63%
②30年返済の場合 →IRR 8.97%
となり、②のほうが良いことが分かります。
このことからも、借入期間は可能な限り長くがよいということが分かります。
このことからも、借入期間は可能な限り長くがよいということが分かります。
なお、金利が異なる場合には、条件によりどちらが良いか判断します。
後日同じように比較シミュレーションを書きたいと思います。
以上、投資をするうえでの参考にしていただけたらと思います。
次回の更新は10日間以降になる予定です。
残暑が続きますが皆様ご自愛くださいませ。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明