社長ブログ〜積小為大〜
お宝物件を探す視点3 建ぺい率オーバー物件
毎度お世話になります。
大和財託の藤原です。
10月も中旬に差し掛かりました。
秋の賃貸繁忙期が始まっており、地域や間取りによって動き方が異なりますが、全体的にはそれなりに動いている様子です。
当社は管理戸数2000戸に対し、リーシング営業担当(一部プロパティマネージャが兼務)が5名おり、万全のリーシング体制をしいています。
毎月管理が増えるため、入居率100%は無理ですが、常に96%以上はキープしています。(月末締めて98%超えるように目標設定しています)
12月上旬まではこの流れを絶やさぬよう総動員で1室でも空室を決めていきます。
さて本題です。
前回の続きで、「お宝物件を探す視点3」についてです。
前回の記事はこちら
マーケットで違法物件ととらえられているものを、適法物件にしたてることができれば、良い物件が購入できる可能性があるという話でした。
今回は建ぺい率オーバー物件の場合です。
初歩的な知識ですが、建ぺい率とは建物が敷地をおおっている割合のことで、「建ぺい率=建築面積/敷地面積×100%」で求められます。
関西では建ぺい率オーバー物件も多いのですが、この建ぺい率オーバー物件は容積率オーバー物件より厄介です。
容積率オーバー物件のように容積率算定不算入部分を抜いて適法にする技が使いにくいのです。
違法物件に対し融資をつける金融機関は関西に多いのですが、多くは容積率オーバー物件に限られます。
建ぺい率オーバーに対し融資をする金融機関は数件しかありません。
では、このパターンではどういう視点で見ればよいのでしょうか。
以下に具体の方法をご紹介します。
1.土地を実測する。
これは非常にシンプルな方法です。
土地の面積は、多くは登記簿謄本に基づく数字にて判断しますが、昔に登記した土地については、結構数字がでたらめなことが多く、現在の測量技術で測ると、まれに土地面積が増えることがあります。(反対に面積が小さくなる場合もありますが)
建ぺい率オーバーの度合いが数パーセントである場合は、測量によって適法物件と仕立てることが可能な場合があります。
検討段階では、隣地との筆界確認までは行わず、現況測量にとどめ、費用は3万円~となります。
当社でも、この手法によって過去に建ぺい率オーバー物件を適法物件に仕立てて取引した実績が数件ございます。
2.建ぺい率不算入部分を見つける
これは容積率オーバーの時の考え方と似ているのですが、建築基準法上の建ぺい率算入箇所と、不動産登記法上の登記面積は異なります。
また、物件によっては、本来登記しなくても良い箇所を登記してしまっているケースもまれにあります。
着目する箇所は以下の2点です。
・出窓
床から30センチ以上の高さの位置で、壁から50センチ以下の出窓は建ぺい率に算入されません。(登記されているケースが多い)
・庇
庇は1メートルを超えた部分から建ぺい率に算入されます。言い換えると、床面積+外回りの壁の中心線から1m以上出っ張りがある部分については、その先端から1m後退した線までの面積が建築面積となります。
1m未満の庇でも登記面積に含まれているケースもよくありますので、現場をみて庇の長さを考慮し、うまく不算入にできないかを検討します。
上記のようなパターンでも、当社にて現地確認の上、土地家屋調査士に建物を測ってもらい、不算入部分を見出し、適法物件としてお客様に高利回りで買っていただいたことが数件あります。
3回にわたって違法物件の扱いを受けている物件を適法物件にする方法について解説いたしました。
ちょっと難易度は高めかもしれませんが、ライバルがやらない方法・視点を持つことで、良い物件を掘り出すことにつながります。
参考にしていただけたらと存じます。
本日は以上となります。
大和財託株式会社
藤原 正明
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