不動産投資でサラリーマンはカモにされる? カモにされやすい人の3つの特徴と失敗しないための5つの対策

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不動産投資を検討している方の中には、サラリーマンとして本業で収入を得ながら、不動産投資で副業収入を得たいと考えている方も多いのではないでしょうか。不動産投資には関心があるものの「サラリーマンはカモにされる」という話を聞いて、なかなか一歩を踏み出せないという場合もあるでしょう。 

この記事では、不動産投資において「本当にサラリーマンはカモにされやすいのか」を検証。カモにされやすい人の特徴や、カモにされないために気をつけるべきことについても解説していきます。 

やっぱり存在する? 怪しい不動産投資話 

銀行にお金を預けてもわずかな利息しか得られない現代では、政府自ら「貯蓄から投資へ」と音頭を取っています。NISAやiDeCoの制度改正によって投資に興味を持つ人が増える中、資産形成に有効な手段として不動産投資も注目を集めています。 

一方で、残念ながら怪しい不動産投資話が少なからず存在するのも事実です。一例として、社会問題化した「かぼちゃの馬車事件」が記憶に残っているという方もいるかもしれません。 

「かぼちゃの馬車事件」とは、2018年に発生した「かぼちゃの馬車」という女性専用シェアハウスを対象とした不動産投資をめぐる事件のこと。運営会社とのサブリース契約により賃料を30年間保証する、という触れ込みで、副業収入を狙うサラリーマンなど多くの個人投資家を集めました。 

しかし、2018年に運営会社が経営破綻。個人投資家の中には金融機関への返済が滞った結果、自己破産せざるを得ない人まで現れる騒ぎとなったのです。 

この事件において、運営会社側に問題があったのは言うまでもありませんが、個人投資家側も「そんな甘い話はない」と疑問に思うべきだったとも考えられるでしょう。 

不動産投資を成功させるためには、不動産投資に関する正しい知識を身につけ、悪質な不動産投資会社のカモにならないようにすることが肝心なのです。特に、副業収入を得ようとするサラリーマンは狙われやすいため、以下で紹介する内容をしっかりと理解した上で不動産投資を行うようにしましょう。 

かぼちゃの馬車事件について詳しくはこちら 

サラリーマンが狙われる理由

不動産投資において、なぜ副業収入を得ようとするサラリーマンはカモにされやすいのでしょうか。それは、次に挙げるサラリーマンならではの2つの性質が理由です。 

ローン審査が通りやすい 

サラリーマンは一般的に継続して安定した収入が見込めるため、各種ローンの審査に通りやすいとされます。一定の年収以上になれば、さらに審査は通りやすいと考えられるでしょう。 

これは不動産投資においても同様であり、特にワンルームマンション投資など物件価格が比較的少額のケースでは、サラリーマンという属性が金融機関に評価される傾向があります。不動産投資ローンの審査が通りやすいというのは不動産投資を始める上でメリットですが、カモにすべく悪用しようとする悪徳な不動産投資会社もいるため、注意が必要です。 

カモにしようとする側からすれば、ローンが通りやすい=その気にさせれば物件を購入させられる可能性が高い、ということになります。「この物件は必ず儲かる」「安定的に高い利回りが狙える」などと言葉巧みに投資を持ちかけ、ローンで物件を購入させようとするのです。 

本業が忙しく不動産会社まかせにしがち 

不動産投資を始めるにあたっては、投資家自身がしっかりとした知識と情報をインプットした上、自分で判断していくことが求められます。 

しかし、企業という組織に守れているサラリーマンは、社会には悪意を持ってだましに来る人がいるという意識が希薄である人が多いのも事実です。不動産会社のセールストークを安易に信じ、物件取得に至るまでの各種検討を不動産会社まかせにしてしまいがちです。言われるがまま物件を購入した結果、カモにされてしまうケースが見受けられます。 

物件取得は不動産投資のもっとも根幹をなす部分であり、物件選びが不動産投資の成否を決定づけると言っても過言ではありません。物件の選定、候補物件におけるレントロール(賃貸条件一覧表)の確認、収支計画の検討、融資に関する金融機関との折衝など、各フェーズにおいて自分の頭で考える必要があります。 

本業が忙しいことを言い訳にして、こうした重要なフェーズを不動産会社まかせにするのは、非常にリスクが高い行為です。

カモにされた不動産投資の実例

それでは、実際にサラリーマンがカモにされた不動産投資の実例を3つ紹介していきます。 

新築ワンルームマンション 

サラリーマンがカモにされる不動産投資として多いのが、新築ワンルームマンションへの投資です。 

新築区分マンションの1室を購入して運用するので初期投資が抑えられ、一見初心者向けのハードルが低い不動産投資に思えるかもしれません。実際「毎月わずかな負担をするだけで、ローン完済後に現物資産が得られる」などとうたって、副業収入を狙うサラリーマンを勧誘する例が見られます。 

冷静に考えると物件価格の割に利回りが低く、月々の管理委託費・修繕費などのコスト負担を考慮するとキャッシュフローがマイナスになる物件であることが少なくありません。こうした条件の悪い物件を、「頭金ゼロ」「私的年金として蓄えになる」「団信を使えば生命保険代わりになる」といった巧みな営業トークに丸め込まれて購入してしまうケースがあるのです。 

不動産投資会社による強引な営業への苦情が国民生活センターにも数多く寄せられており、国土交通省や地方自治体でも注意を呼びかけています。 

新築ワンルームマンション投資について詳しくはこちら 

不利なサブリース契約 

不動産投資におけるサブリース契約とは、管理会社などのサブリース事業者がオーナーから物件を一括で借り上げ、入居者に転貸する契約形態を指します。 

本来、オーナーとサブリース事業者間の契約を「マスターリース契約」、サブリース事業者と入居者間の契約を「サブリース契約」と呼びます。ただ、不動産投資においては、これら2つの契約からなる一括借上・転貸の契約スキーム全体を指して「サブリース契約」と呼ぶのが一般的です。 

サブリース契約ではオーナーは空室リスクを避けられ、事業者から一定の賃料収入を得られます。物件管理も事業者が行うため、手間をかけることなく安定収入が得られる点はメリットと言えるでしょう。 

気をつけなければならないのが、サブリース事業者が賃貸借契約上の借主にあたるという点。借地借家法の原則からすると、借主であるサブリース事業者が保護されるべき存在になるのです。 

このため、たとえばサブリース事業者側から賃料減額請求された場合、オーナーが断ると容易に契約解除できてしまいます。こうした点を悪用して、サブリース事業者は相場賃料より高い借上げ賃料を示すことで利回りを高く見せた収益物件を売りつけておいて、数年したら借上げ賃料を減額するという手を使います。 

オーナーは契約解除を避けるために、泣く泣く賃料減額を飲まざるを得なくなります。一方、貸主であるオーナー側からの契約解除は「正当事由」が求められ、事実上不可能です。 

サブリース契約には上記のようなリスクがあるというのも認識した上で、投資は慎重に検討しなくてはなりません。 

サブリースについて詳しくはこちら 

修繕費がかかる築古物件 

不動産投資の失敗例としてよくあるのが、表面利回りの高さに飛びついて投資したものの、後から大きな費用がかかり、結果的に手出しが大きくなってしまうというケースです。 

表面利回りは、満室稼働だった場合の年間想定賃料を物件取得費用で割って求められます。計算方法を踏まえると、家賃収入が大きい物件のほか、物件価格が安い物件も表面利回りが高くなるということがわかります。 

築古物件は物件価格が低額になる傾向にあるため、必然的に表面利回りが高くなります。しかし、物件購入後に調査してみると至るところに修繕必要箇所があり、想定外の大きな修繕費がかかってしまうケースがあるのです。表面利回りでは修繕コストが考慮されていないので、実際の利回りはもっと低くなります。 

修繕コストを見込まず、「表面利回りが高いので収益が見込める」という触れ込みだけを信じて築古物件に投資すると、悪徳不動産投資会社のカモにされるリスクがあります。

入居者がいっせい退去したオーナーチェンジ物件 

物件売買によって、所有権だけでなく、既存の入居者からの賃料収入や各種権利・義務も引き継ぐ物件をオーナーチェンジ物件と言います。オーナーチェンジ物件は購入後すぐに収入を得られるため、一般的に不動産投資のメリットが多いとされます。 

ただ、ここにも悪徳不動産会社のカモにされる危険性が潜んでいる点に注意しましょう。 

不動産投資で副業収入を得るべく物件を探していたサラリーマンが、ある物件を満室の中古アパートということで購入した例を見ていきます。購入した中古アパートは不動産会社自ら売主のオーナーチェンジ物件だったので、購入後すぐに満室稼働の家賃収入を得られ、しばらくは安定経営が続きました。 

ところが、一定期間の過ぎたある日、入居者がいっせいに退去してしまいました。蓋を開けてみると、当初の入居者は満室稼働に見せかけるため不動産会社が用意した「サクラ」だったのです。入居者退去後は一気に収支が悪化し、次の入居者が見つかるまで大幅な手出しが発生する事態となってしまいました。

オーナーチェンジ物件であっても、レントロールをしっかりと見て、入居状況に不審な点がないかチェックする必要があるのです。

オーナーチェンジ物件について詳しくはこちら 

カモにされやすい人の特徴

購入者がカモにされた不動産投資の実例を紹介してきましたが、どのような人がカモにされやすいのでしょうか。カモにされる人に共通する3つの特徴を紹介していきましょう。 

知識・情報が不足している 

先ほどの4つの事例からも明らかなとおり、カモにされる人は、不動産投資に関する正しい知識・情報が圧倒的に不足しています。自分で判断する自信がないため、落ち着いて考えれば赤字になるということにも気付けなくなり、営業トークを鵜呑みにして購入してしまうのです。 

不動産投資は、安定収入源(フロー)と資産(ストック)の両方を形成できて、初めて「成功」と言えます。購入を検討する際には、本当に上の2点を実現できる物件なのか、慎重に検討すべきなのです。 

たとえば、営業担当者から黒字になる収支シミュレーションを見せられたとしても、空室リスクをしっかり見込んでいるか、経費の計算は正しいか・抜け漏れはないかといったチェックは必須です。また、アパート経営に特有の家賃下落リスク、家賃滞納リスク、修繕リスク、金利上昇リスクなどの各種リスクを踏まえた内容になっているかも、しっかりと確認しておきたいところ。 

インプットした知識・情報を以て、自ら検討し判断するというスタンスが何より大切です。

不動産会社に丸投げしてしまう 

不動産投資にはいくつかの重要な工程があります。物件取得時には、候補物件の比較・検討、レントロールなど資料の読み込みと確認、収支計画の作成、金融機関との折衝などに主体的に取り組まなければいけません。物件取得後は管理会社に管理を委託することになりますが、最終責任はオーナーにあります。 

「本業が忙しい」「自分で考えるのが面倒くさい」などの理由で、不動産投資会社の言いなりになって丸投げしてしまう人は、カモにされるリスクが高いと言えるでしょう。 

オーナーは、不動産投資会社や管理会社が問題なく業務を遂行しているかチェックし、必要に応じて改善を求めていかなくてはなりません。たとえ不測の事態が発生したとしても、最終的に不動産投資会社は責任を取ってはくれません。不動産投資の結果はすべて投資家の責任です。 

失敗しても他人のせいにはできないことを自覚し、とことん自分で考える癖がついていない人は、そもそも不動産投資に向いていません。

自信過剰である 

正しい知識や情報がなく自信のない人がカモにされやすいと紹介しましたが、反対に自信過剰な人もカモにされるリスクが高いので注意が必要です。 

所得の高いサラリーマンが、さらなる資産形成や節税を目的に不動産投資を始めるケースは多く見られます。高所得のサラリーマンはこれまで社会人として成功してきたプライドから、「自分は間違えない」と過剰な自信を持っていることがあります。 

たとえ怪しい投資話であっても、「自分が優秀だから特別な儲け話が持ちかけられた」と変にプラス思考で捉えてしまう傾向があるのです。 

しかも、こうした人は金融機関に高属性と判断されるので、好条件でローンを組めるのも特徴。決断さえすれば問題なく物件購入できる可能性が高いため、悪徳不動産投資会社からすれば格好の餌食になり得るのです。 

実際、2018年に社会問題化した「かぼちゃの馬車事件」でも、ターゲットとなったのはエリートサラリーマンや医者、収入が安定している公務員などでした。 

行き過ぎた自信は判断力を鈍らせてしまいます。常に正しい知識と情報をインプットし、適切な選択を行うよう心がけましょう。

注意すべき不動産投資会社の特徴

不動産投資でカモにされないためには、悪徳な不動産投資会社を事前に見分ける必要があります。そこで続いては、注意すべき不動産投資会社の特徴3点について解説していきます。 

非常識な営業・勧誘をしてくる 

購入者の立場になって一生懸命に考えてくれる熱心さは大切ですが、一般的なレベルを超えた、非常識で強引な営業・勧誘をする不動産投資会社には注意が必要です。具体的には、次のような行為が見られる会社や営業担当には気をつけましょう。 

  • 特段やりとりがなかったにもかかわらず、突然個人携帯に電話をかけてくる 
  • 何回も断っているにもかかわらず、しつこく自宅に電話してくる 
  • 自宅に押しかけて直接営業してくる 
  • マッチングアプリで待ち合わせ、投資話を持ちかけてくる 
  • 駅前で声をかけられ名刺交換をさせられる 
  • 相手の事務所に長時間拘束される 
  • 断ろうとすると、脅迫めいた言葉で契約を迫られる 

昨今、こうした不動産投資の悪質な営業・勧誘を受けたという苦情や相談が増加しています。国民生活センターと消費者庁も注意喚起を行っているので、上記に当てはまるような行為を受けた場合には、国や自治体の担当部署などへ相談・報告するようにしましょう。

断定的な口調で購入を迫る 

株式やFX、暗号資産など他の投資と同様、不動産投資にも「絶対」ということはあり得ません。シミュレーション上は十分に儲けが出る見立てであっても、想定外の事態が発生する可能性はあります。投資である以上、大小はあれどもリスクは必ず存在するのです。 

リスクは必ずあるにもかかわらず、その内容を説明することなく、「絶対に儲かる」などとうまい話のみを断定的に語る不動産投資会社は危険です。「うまい話には裏がある」と言いますが、語っている内容の裏には、得られるリターンを打ち消してしまうほどの大きなリスクが潜んでいるかもしれません。 

提示された条件やシミュレーション内容に怪しい点や抜け漏れはないか、冷静に考えた上で判断するよう心がけましょう。断っても執拗に購入を迫られるようであれば、決して契約はせずに、国民生活センターなどへ早めに相談することが大切です。

いわゆる「三為業者」 

「三為業者(さんためぎょうしゃ)」と呼ばれる不動産会社にも注意が必要です。三為業者とは「第三者の為にする契約」を行う不動産会社のことで、いわば不動産取引における転売業者と考えればいいでしょう。 

不動産の所有者が変更となる際、所有権移転登記を行うとともに登録免許税を納めなければなりません。不動産会社が売主から購入した物件を買主に売却するケースでは、本来所有者移転登記が2回必要となり、登録免許税も2回分納めなければならないことになります。 

かつては、間に立つ不動産会社の登記を省略できる「中間省略登記」が認められていましたが、不動産登記法の改正によりできなくなりました。そこで、売買契約は売主・不動産会社間、不動産会社・買主間の2本としつつ、所有権は売主から買主に直接移転するという「三為契約」が用いられるようになりました。三為契約を専門に行うのが、いわゆる三為業者です。 

このスキームでは、三為業者が売主からいくらで物件を購入したのか、買主にはわからないというのがポイント。買主は元の購入金額を知らないまま、高値掴みしてしまう危険性があります。

三為契約は合法で使い方によってはメリットもあるのですが、投資初心者が利用するのは避けたほうが無難でしょう。 

不動産投資でカモにされないためには

ここまで紹介した内容を踏まえ、不動産投資においてカモられないためには、どのような点を意識すべきなのか見ていきましょう。 

不動産投資関連の勉強をする

不動産投資においてカモにされる人に共通するのは、不動産投資に関する知識や情報が圧倒的に不足しているということです。自分で判断するのに必要な知識や情報を持ち合わせていないので、自ら「プロ」を標榜する悪徳不動産投資会社の話を鵜呑みにしてしまい、判断を誤ってしまいます。 

悪徳な会社にカモにされないためには、何よりもしっかりと勉強して、不動産投資に関する正しい知識や情報を身につけるのが重要です。勉強で得たものは自分で判断する上での基礎になるとともに、怪しい話を見抜く自己防衛の道具にもなります。 

勉強の方法としては、まず不動産投資関連の書籍を買って読み込むのが基本。不動産投資に関するブログやWebページを検索して読むという方法もありますが、インターネット上には真偽が定かでない情報も混ざっているので要注意です。 

そのほか、不動産投資セミナーに参加する方法もあります。 

いくつかの方法を組み合わせて学び続ければ、怪しい投資話を見抜けるだけの知識や情報を身につけることができるでしょう。 

不動産投資の目的を明確にする 

「安定的に資産を増やせると聞いたから」「預金よりも利回りが期待できそうだから」など、漠然とした理由で何となく不動産投資を始めようと考えていないでしょうか。具体的な目的を持たずに不動産投資を始めようとする人は、カモにされる危険性が高くなるので注意が必要です。 

不動産投資を始めるにあたっては、投資の目的をはっきりさせることが重要。投資目的の明確化には大きく2つの方向性があります。 

1つ目は、具体的な目標数値に向かって投資を行うというものです。たとえば、月々のキャッシュフローの目標額を決める、ターゲットとする時期における目標純資産額を定めるといったことが考えられます。 

2つ目は、投資によって実現できるメリットに着目するもの。所得税を節税するため、相続対策のためといった目的が考えられるでしょう。 

投資目的を明確化すると、不動産投資会社から条件やシミュレーションを提示されたとき、「目的を達成できる内容になっているか」という大きな判断基準ができます。どれだけ魅力的に感じる話であっても、目的に沿わない内容であれば断ることができるのです。

不動産投資のメリットとリスクを把握する 

メリットの多い不動産投資ですが、当然ながら特有のリスクも存在します。メリットばかりに目が行ってしまい、リスクを理解していない人はカモにされる危険性があるでしょう。 

不動産投資でカモにされないためには、どのようなメリットとリスクがあるのか把握し、リスクコントロールできるよう努める必要があります。 

たとえば、物件で空室が発生して家賃収入が得られなくなる「空室リスク」であれば、利便性が高く賃貸需要のある立地、競合物件が過剰供給されていない立地の物件を選ぶことで、リスクの低減を図れます。時代のニーズに合った間取りや設備仕様の物件を選ぶというのも効果的でしょう。 

空室リスクに対応できる物件は、築年数に応じて家賃が下がっていってしまう「家賃下落リスク」に対しても有利と言えます。 

家賃を滞納する入居者がいて、期待する家賃収入が得られなくなるリスクが「家賃滞納リスク」です。レントロールや現地を確認して入居状況をチェックすることで、問題のある入居者がいないかどうか、ある程度把握できるでしょう。 

現地確認により建物や設備の劣化状況を確認すれば、想定外の修繕・設備費用が発生する「修繕リスク」の事前把握にもつながります。 

このように不動産投資特有のリスクをコントロールする意識を持っていれば、悪徳な会社に乗っかることなく、自分なりの判断ができるようになるはずです。 

セカンドオピニオンを考える 

不動産投資に最低限必要な知識や情報を持っていても、自分の考えだけではなかなか判断が難しい場面もあります。より判断の精度を上げてカモにされないようにするためには、信頼できる人や会社からセカンドオピニオンを受けるのも有効です。 

セカンドオピニオンを受ける相手としては、信頼できる知人や投資家仲間、他の不動産投資会社などが考えられます。自分の判断に自信があるときでも、あえてセカンドオピニオンを受けることで、自らの思考不足や新たな視点に気づけるケースもあるでしょう。 

ただ、複数の人や会社に意見を聞くと、意見同士が対立する場合もあります。そうした際には、前の章で紹介したとおり、自身の投資の目的に合わせて判断していくのがおすすめです。 

どれだけ信頼できる人からのセカンドオピニオンであっても、考えることなく鵜呑みにするのは危険。最終的に決断するのは自分自身ということを忘れてはいけません。

 信頼できる不動産会社を選定する 

不動産投資を成功させるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが極めて重要です。不動産投資は賃貸経営であり、不動産会社は経営のパートナーともいうべき存在だからです。プロである不動産会社と信頼関係が構築できれば、セカンドオピニオンを受ける先としても非常に頼もしい存在になるでしょう。 

信頼できる不動産会社を見極めるにあたって、確認すべきポイントは次のとおりです。

  • 物件の説明にあたり、メリットだけでなくリスクについてもきちんと説明してくれるか 
  • 物件の売却理由やレントロールの妥当性など、詳細な情報までしっかりと把握しているか 
  • 個人の不動産ポートフォリオや投資目的に寄り添った提案をしてくれるか 
  • 収益物件の売買取引の実績が豊富か 
  • その会社自身も不動産投資によって収益を上げられているか 
  • 自ら賃貸管理業務を行うなど、購入後の管理についてサポート体制があるか 
  • 融資のサポートがしっかりしていて、適切な金融機関を紹介してくれるか 

こうした条件を満たす理想のパートナーを見つけるためにも、最低限の知識を身につけ、アンテナを高く情報を得る姿勢が大切と言えます。信頼できるパートナーが見つかれば、不動産投資は軌道に乗っていくことでしょう。 

まとめ

長期的に安定した収入が期待できる不動産投資は、メリットの多い魅力的な投資手法です。富裕層のみならず、サラリーマンでも不動産投資にチャレンジする人が増えています。 

不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターン」とされるので、リスクを必要以上に怖がることはないのですが、融資を活用するのが前提である分失敗するとダメージが大きいのも特徴です。中には悪質な不動産投資会社も存在しており、サラリーマンの投資家はカモにされる場合もあるため、注意しなければなりません。 

カモにされることなく不動産投資を軌道に乗せるためには、投資家自身が勉強して知識と情報を身につけることと、信頼できるパートナーたる不動産投資会社を見つけることが何よりも重要です。

監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
書籍「収益性と節税を最大化させる不動産投資の成功法則」や「収益性と相続税対策を両立する土地活用の成功法則」を発売中。

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