この記事では資産運用において中古区分マンション投資がおすすめかどうかについて解説します。
結論から言えばケースバイケースです。
小遣い程度のキャッシュフローを得るのであれば、中古区分マンション投資も良いと言えます。
しかし将来の経済的不安を払拭する資産運用という面で見れば、中古区分マンションは投資対象としてはおすすめできません。
理由は5点です。
- 資産拡大効率の悪さ
- 空室リスク
- 経営の自由度が低い
- 収益性が悪い
- 融資の壁がある
おすすめできない理由について詳しく解説していきます。
目次
中古区分マンション投資の資産拡大効率の悪さ
仮に月に100万円の家賃収入を目標にしているとしましょう。
1部屋あたりの家賃を5万円として、区分所有で目標を達成しようとすると20回も取引をしないといけません。
一度の取引で必要となる手続きは物件選定から買い付け提出、契約手続き、融資打診、融資承認、決裁引き渡しに至るまで複雑多岐に渡ります。
それを取引のたびに行うのは相当の手間と言えます。
中古区分マンション投資の空室リスク
区分所有物件では1戸あたりの取引となりますので、空室リスクが高くなります。
所有物件に入居者がいれば入居率100%で満額の家賃を得られますが、一度退去が出てしまうと入居率は0%となり、たちまち収入がなくなってしまうのです。
物件価格が数百万円程度のものであれば現金での購入も考えられますが、1,000万円を超える物件の場合は融資を利用した投資になるケースが多いはずです。
その場合は入居者が退去してしまうと借入金の返済を自分の給料や貯金、あるいはこれまでの運用で貯めてきた累積キャッシュフローの中から捻出しなければなりません。
家賃保証もないケースが殆どなので、一定の個数になるまで買い進めない限りは空室リスクが高い状態が続き、安定しないということになります。
中古区分マンション投資は経営の自由度が低い
不動産投資が他の投資に比べて優れているメリットの一つに自らの創意工夫で収益性を高められる点があります。
ところが区分所有の場合は管理組合があるため、区分所有のオーナー一人の意思で外壁をおしゃれに塗装するなど、共有部分のリフォームができないのです。
あくまで室内のリフォームのみとなるため、1棟アパートやマンションに比べると自由度が低いと言えます。
中古区分マンション投資は収益性が悪い
区分マンションには1棟のアパートやマンションでは必要がない支出があります。
それは管理会社に支払う管理費、管理組合に支払う修繕積立金です。
管理費は建物共用廊下などの清掃にも充てられますが分譲マンション管理会社へ支払うフィーも含んでいます。
修繕積立金は、将来の大規模修繕工事に備え管理組合で積み立てるものです。
大規模修繕は1棟でも区分でもアパートやマンションには必要ですが、区分マンションの場合はオーナー個人で管理会社や大規模修繕の内容や計画を決定することはできません。
そのため管理会社に支払う管理費や管理組合に支払う修繕積立金が割高になる傾向があります。
※賃貸としての管理業務を委託する管理会社には別途賃貸管理のフィーがかかります。
中古区分マンション投資には融資の壁がある
中古区分マンション投資の最大のネックはこの融資の壁です。追加の融資が通らず、投資規模を拡大しにくいことです。
中古区分マンション投資をする場合は融資を受けられる金融機関が一部に限られます。
融資を受けられるのは信販系金融機関のみで、地方銀行や信用金庫などの市中金融機関は、区分マンションの担保力が弱いことからほとんど融資を出しません。(属性が高い一部の方はその限りではありません)
信販系金融機関の融資について
信販系金融機関の多くは購入者個人の属性、もっと言えば年収を元に判断して融資を出します。
中古区分マンションに対し融資をする金融機関の多くは個人の年収に対しておおよそ10倍を上限に貸し出しをするため、融資の上限が限られてしまいます。
年収1000万円の方であれば、1億円が融資の上限になりますので、住宅ローンを4,000万円かかえている場合は融資の限度額は6,000万円となります。
物件にもよりますが、フルローンで1500万円程度の中古区分マンションを購入した場合の年間税引き前キャッシュフローは10万円程度です。
融資上限まで購入しても大きなリターンは期待できないということになります。
追加融資が受けられない落とし穴
中古区分マンションを勧める不動産業者の営業トークに「最初から1棟への投資は金額が大きくリスクも大きいので、まず中古区分マンションをいくつか購入し、賃貸経営の実績を積んでから1棟ものへシフトしていきましょう」というものがありますが、間違いです。
区分マンション数戸を運営していたとしても、地方銀行などの市中金融機関は実績としてみてくれません。
一方、融資枠は上限まで使い切っていますので、それ以上融資を受けて買い増しをしていくことはほぼ不可能です。
資産運用としての中古区分マンション投資について
まとめますと資産運用としての中古区分マンション投資はおすすめできないということになります。
資産運用において中古区分マンションをお勧めできるのは一部の方のみとなります。
現預金が多くありキャッシュで物件を購入できる方、もしくは相続税対策で現金を不動産に変えて相続税評価額を下げたい方のみです。
いずれにしても、融資を前提にした不動産投資でキャッシュフロー数百万円単位以上を目指している方には、中古区分マンションはおすすめできません。
※当社では、効率の良い資産運用という観点に重きを置くため中古区分マンションは原則取り扱いせず、投資効率のよい1棟収益不動産をメインにご提案しています。
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監修者
藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO
昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
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