最低ラインと理想的な数字は?不動産投資の利回り計算を詳しく解説

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不動産投資を行う際、気になるポイントの一つが利回りです。不動産投資に限ったことではありませんが、投資するかどうか判断材料として、利回りは重要な指標となります。ただし、利回りが高ければ、それでいいというわけではありません。 
 
では、利回りの最低ラインとして、どのくらいを想定しておけばいいのでしょうか。この記事では、特に不動産投資で重視すべき利回りの種類はもちろん、最低ラインと理想の利回りを詳しく解説します。 

投資における利回りとは 

 そもそも「利回り」とは何を指しているのでしょうか。一口に投資といっても株式投資やFX、暗号資産のような投資方法があれば、不動産投資もあります。まずは、金融投資における利回りと不動産投資における利回りについて解説します。 

金融投資における利回り 

 投資にはいくつかの指標があり、投資家は指標を参考にしながら複数の投資商品を比較したり、売買の判断を下したりしています。その投資指標の最も基本となるのが、利回りです。利回りとは、投資金額に対する収益の割合を指します。 
 
例えば株式に投資した場合には配当、投資信託には分配金など、保有していることで毎年利益が発生します。もちろん、投資は失敗するリスクもありますが、保有している金融商品を売却すれば売却益を得られることもあるでしょう。金融機関における利回りは、毎年受け取れるような利息に加え、最終的に保有している金融商品を売却したときに得られる売却益も含めて計算します。 
 
なお、利回りに似た用語の「利率」は投資金額に対する利息の割合であり、売却益は含みません。利回りは利率に比べてより広く、総合的な収益の割合を把握できる指標です。 

 不動産投資における利回り 

投資金額に対する収益の割合を表す用語という意味では、不動産投資における利回りも金融投資における利回りと同じです。ただし、不動産投資における利回りは物件価格に対する家賃収入の割合を示した数字であり、金融投資における利回りとは違って売却益は含めずに計算します。 
 
投資用不動産を購入するのにかかった費用に対してどのくらいの収益を生むのか、その収益力をみる指標だと考えるといいでしょう。利回りは投資した金額に対して、○○%という形で表されます。利回りの数字をみることで、対象の不動産を購入すると1年間でどのくらいの収益を得られるのか、何年運用すると投資金額を回収できるのかといった目安が分かります。 
 
各物件の利回りを比べることで、投資すべき不動産の選定はもちろん、物件の購入や売却のタイミングも判断することが可能です。ただし、利回りといっても、1種類ではありません。不動産投資でよく耳にする利回りについては、以降の段落で取り上げます。 

不動産投資における利回りの種類

不動産投資における利回りには、複数の種類があります。表面利回り、実質利回り、総収益率、自己資本利回りの4つが代表的なものです。ここからは利回りの種類、関連する不動産投資用語、実質利回りの計算式も含めて解説します。

表面利回り

不動産投資で一般的に用いられる利回りの一つが表面利回りです。表面利回りは年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数字で、計算式は以下のようになります。

表面利回り(%)=年間満室想定賃料÷物件金額×100

表面利回りはグロス利回りと呼ばれることもあります。計算式に使われる年間家賃収入は、満室を想定した金額です。物件の購入時にかかった諸費用や運用中に発生する諸経費、税金などが省略されているため、物件の収益性をざっくり把握するためのものだと考えてください。
表面利回りは単純に物件を比較する際には、分かりやすいというメリットがあります。ただし、諸経費や税金など、実際の不動産経営にかかる費用が反映されていない数値であり、購入後にその利回りが維持できるかどうかはわかりません。表面利回りだけを見て物件を購入すると、想定していた収益が得られない可能性もあるため、現実のお金の流れとは違うという点には注意してください。

実質利回り

実質利回りは年間家賃収入から、管理費用や保険料、固定資産税・都市計画税などの必要経費および税金を差し引いた額を物件購入価格で割った数字です。ネット利回りやNOI利回りと呼ばれることもあります。以下の段落では実質利回りを理解するために、総潜在収入(GPI)、実効総収入(EGI)、純営業収益(NOI)の概念を解説します。

総潜在収入(GPI)

総潜在収入のGPIは、「Gross Potential Income」の略語です。総潜在収入では空室が発生したことによる損失や滞納による損失がまったくないと仮定して、年間家賃収入総額を算出します。つまり、その物件が最大限稼働したとして、「1室の家賃×部屋数×12ヶ月」で算出される年間満室想定賃料です。投資した物件で最大の利益を上げられるのは総潜在収入であり、総潜在収入の数字にできるだけ近づけることは経営目標となり得るでしょう。
しかし、実際に投資用不動産を運用していれば空室が発生したり、家賃が滞納されたりするリスクは当然あります。空室や滞納による損失のようなマイナスの要素を考慮しない総潜在収入は、あくまで最終的な収益や損失を計算するためのスタートの指標だとふまえてください。

実効総収入(EGI)

実効総収入のEGIは、「Effective Gross Income」の頭文字を取っています。先述した総潜在収入は空室や滞納による損失がない満室状態を想定した収入ですが、実効総収入は総潜在収入から実際に空室が出たことによる損失額と滞納による損失額を差し引いた収入額です。
家賃収入のほかに駐車場や自動販売機、太陽光発電や看板広告などの雑収入がある場合は、収入にプラスします。計算式は以下の通りです。

実効総収入(EGI)=総潜在収入(GPI)-(空室による損失額+滞納による損失額)+雑収入

実効総収入は物件が持つ実質的な収益力を表しています。不動産投資ではできるだけ総潜在収入に近い収益を目標としますが、空室・滞納が多くなれば実効総収入は当然ながら低くなります。収益の安定化を図るためには、空室率を改善するための対策や家賃滞納を減らす対策を施す必要が出てきます。

純営業収益(NOI)

純営業収益(NOI)のNOIは、「Net Operating Income」の頭文字を取っています。実効総収入は総潜在収入から、空室や家賃滞納による損失を差し引いた数値でした。純営業収益はそこからさらに物件を管理するための必要経費や、物件を所有していることで発生する税金などを差し引いた後の額です。その物件が生み出す本当の利益を求めることができます。計算式は以下の通りです。

純営業収益(NOI)=実効総収入(EGI)-運営費用

アパートやマンションなどの賃貸物件を維持していくためには、さまざまな必要経費がかかります。具体的には管理会社に支払う管理委託費や火災保険料、物件の維持に必要なメンテナンス費用や修繕費用などです。共用部分の水道光熱費なども、ランニングコストとして必ず発生します。税金としては固定資産税や都市計画税などが挙げられます。
ただし、支出をともなわない減価償却費や資産価値を高める目的で実施されるリノベーション費用のような資本的支出は、純営業収益を求める際に差し引く費用からは除外されます。

実質利回りの計算式

最初に取り上げた表面利回りは、諸経費や税金などが考慮されていませんでした。一方で実質利回りは年間の管理にかかる費用や税金を計算に含めるため、より実態に近い収益率を算出できます。計算式は以下の通りです。

実質利回り(%)=純営業収益(NOI)÷物件価格×100

諸経費がどのくらいかかるのか、あらかじめ正確に把握するのは簡単ではありません。そのため、不動産の広告で表示されている利回りのほとんどは表面利回りです。
実質利回りを計算することで、表面利回りでは把握できない実際の収益力を知ることが可能です。ただし、実質利回りの分子となる純営業収益は満室想定家賃から空室や滞納分の損失、物件の運営に必要な費用や税金などを差し引いているものの、分母には購入時にかかった諸費用が考慮されていません。

総収益率(FCR)

物件の収益性を把握できる指標として、総収益率(FCR)があります。FCRは「Free & Clearly Return」の頭文字で、計算式は以下の通りです。

FCR(%)=純営業収益(NOI)÷総投資金額×100

分子として純営業収益(NOI)を使うのは同じですが、分母の総投資額は物件価格に購入時の諸費用を含めた数字です。投資用不動産を購入する際は、物件価格以外にさまざまな費用がかかります。具体的には物件の売買を仲介してくれた不動産会社に支払う仲介手数料や、不動産取得税、登記時に必要な登録免許税、司法書士報酬などです。
総収益率(FCR)は物件を所有している間にかかるランニングコストはもちろん、購入する時点で必要なイニシャルコストも網羅している指標です。そのため、実質利回りに比べても、より厳密な利回りの数字になり、物件の持つ現実的なパフォーマンスを算出できます。総収益率(FCR)が「真の利回り」とされるゆえんです。

自己資本利回り(CCR)

実質利回りや総収益率が万全な指標かというと、そうともいえません。なぜなら、不動産投資は融資を活用して行うことが一般的だからです。不動産投資は融資を活用してレバレッジを効かせ、もともとの自己資金では望めない大きなリターンを得られるのが醍醐味です。
実際に融資を活用し、不動産投資を行っている方は多いでしょう。であれば、融資を受けた分についても、計算に入れなければなりません。融資で投資用不動産を運用する場合の指標として、「自己資本利回り(CCR)」があります。CCRは「Cash On Cash Return」の頭文字を取った略語で、年間キャッシュフローを自己資本で割った数字です。計算式は以下のようになります。

自己資本利回り(%)=年間キャッシュフロー÷自己資本×100

分子の年間キャッシュフローとは、純営業収益(NOI)からローンの返済額を引いた数字です。融資を受けて不動産投資を行う場合、投入した自己資金に対してどのくらいの利益が得られているのかを知る必要があります。そのため、自己資本利回りでは分母を物件価格ではなく、自己資金としています。

不動産投資における利回りの違い

不動産投資の利回りは物件の種類や新築と中古、地域の違いでも異なることがあります。投資を検討するうえで、利回りの違いを知っておくことが大事です。具体的に利回りがどのように異なるのか、それぞれのケースでみていきましょう。

種類の違い

投資先の種類として挙げられる一棟アパートと一棟マンションは、アパートやマンションを一棟丸ごと購入して投資する方法、区分マンションはマンション1室だけに投資する方法です。ここではそれぞれの投資方法による表面利回りの違いを解説します。
なお、不動産投資の種類の違いによるメリット・デメリットの詳しい解説については、次の記事をご参照ください。
家賃収入を得る仕組みとは? 不動産投資の種類とメリット・デメリットを解説

一棟アパート

一棟アパートの表面利回りは一棟マンション、区分マンションと比べて高い傾向にあります。
なお、一棟アパートの物件価格は近年上昇傾向にあります。価格上昇の原因は、建設業界の人件費の高騰、円安を背景にした建設部材の価格上昇などです。
それに比例して表面利回りは低下傾向にありましたが、都心部から家賃上昇の兆しもあり、利回りも上昇に向かう可能性があります。

一棟マンション

一棟マンションの表面利回りは、区分マンションよりは高く、一棟アパートよりは低い傾向にあります。
一棟アパートと同様に物件価格が上昇し、その分、表面利回りも下がっている傾向ですが、東京23区では2022年から家賃が上昇しはじめ、2023年は単身者向け、ファミリー向けともに上昇する結果となりました。
アットホーム株式会社の『マンション賃料インデックス公表資料 2023年4四半期』によりますと、2009年を100としたマンション賃料インデックスは東京23区が2023年第4四半期で117.52となっています。
出典:アットホーム株式会社 マンション賃料インデックス公表資料 2023年4四半期
家賃の上昇とともに利回りは回復傾向にあります。

区分マンション

区分マンションの表面利回りは、一棟アパートや一棟マンションと比較して低い傾向にあります。
区分マンションの価格は都心部を中心に大きく上昇しており、それに比例して表面利回りは低下してきましたが、ここ数年はファミリー向けを中心に家賃が上昇していますので、利回りも回復傾向にあります。

新築・中古の違い

表面利回りは、物件の築年数によっても変わってきます。新築と中古で表面利回りがどう違うのかを解説します。

新築

一棟アパート・一棟マンション・区分マンションのいずれにしても、新築の物件価格が当然にも高くなります。そうすると、結果的に表面利回りは低くなる傾向にあります。
ただし、新築物件は希少性があり、入居者からのニーズも高いので強気の家賃設定が可能です。これを「新築プレミアム」と言いますが、物件価格・家賃ともに高くなる傾向にありますので、効果は相殺されていきます。
一般的には、中古と物件と比較すると表面利回りは低めになります。

中古

建てられてから時間が経過すると、一般的に物件価格は下落していきます。そのため、中古物件の表面利回りは高くなる傾向にあります。
中古物件は表面利回りは高い一方、エリアによっては賃貸需要が減少していたり、修繕費が多くかかったりするため、投資先を決める際は注意が必要です。

地域の違い

表面利回りは物件が建っている地域によっても差が出ます。都市と地方で利回りがどう異なるのか、それぞれのケースを解説します。

地方

一般的に、地方の物件は表面利回りが高い傾向にあります。建物自体が同じようなスペックであっても、地域によって地価に差が出るので、地方は都市部に比べて物件価格が低くなります。その分、表面利回りは高くなります。
地方の物件は、表面利回りが高くなっても、エリアによっては賃貸需要がなく空室リスクも高くなる可能性があるので投資する際には十分注意する必要があります。

都市

地方とは逆に、都市部になるにしたがって表面利回りは低下する傾向にあります。
都市部は利回りは低くなる傾向ですが、賃貸需要の強い地域も多く、空室リスクを抑えられることが多くあります。

不動産投資における利回りの最低ラインは?

不動産投資の利回りは、物件の種類、新築か中古か、地域によって異なることがわかりました。そのことをふまえたうえで、不動産投資を成功に導くための利回りの目安はどれくらいなのでしょうか。
投資家にとって気になるのは、「利回りの最低ライン」ではないでしょうか。この数値より下の利回りは投資不適格だと判断できるため、利回りの最低ラインを知りたい人は多いでしょう。
また、不動産投資における「理想的な利回り」も知りえるのであれば知りたいところです。購入を予定している収益物件の想定利回りが理想的な利回りに近ければ、自信を持って購入することができるからです。
この章では、利回りの最低ラインと理想的な利回りについて考えていきましょう。

利回りの最低ライン

前章でみたように、不動産投資の利回りは物件の種類や新築・中古、地域によっても違いがあり、さまざまな要因で変わってきます。そのため、「利回りの最低ラインは◯◯%」と一概にはいえません。見た目の利回りが高いからといって必ずしもいい物件とは限らず、逆に最低ラインに近い利回りでも安定して経営が続けられる可能性もあります。
投資目的の違いによっても、目指す利回りが異なる場合もあるでしょう。毎月のキャッシュフローを少しでも得るための投資方法もありますし、節税効果を狙って不動産投資を始める方もいます。富裕層のなかには相続対策のために、金融資産を不動産に組み替えるケースもあります。
同じ不動産投資といっても投資目的が違えば、目標の利回りも異なるのです。自身の投資目的と照らし合わせて、利回りを参照にするようにしてください。

理想的な利回り

一般的には利回りは高ければ高いほどいいわけですが、リターンとリスクは表裏一体であるため、あまりにも高い利回りには注意が必要です。利回りが高すぎる物件の場合、リスクが隠れている場合もあります。例えば最寄り駅から遠く不便な立地に建つ物件や、耐震性に問題がある物件などのように、物件価格が低く設定されていることで、表面利回りが高くなっているケースもあるからです。
逆に都市部の人気エリアに建つ物件では、利回りが低かったとしても賃貸需要が高く、長期的に安定した収入が見込めます。空室が発生したとしても、新たな入居者を見つけやすいため、リスクを抑えることができます。
理想的な利回りに関しても、利回りの最低ラインと同様に投資目的で目安となる利回りは異なってきます。長期にわたって安定的に家賃収入を得たいのなら、新築・都市部・RC一棟マンションという選択がありえますが、利回りは相対的に低めになるでしょう。短期のうちに稼ぎたいと思うなら、築古・地方・木造一棟アパートを選択すれば利回りは相対的に高くなると考えられます。

利回りシミュレーション

この章では、具体的な例を用いて利回りのシミュレーションを行ってみます。実際の不動産投資で利回りを試算する場合の参考にしてください。

物件概要

利回りシミュレーションを行う物件は、新築の木造、土地購入金額3,500万円、建築費8,200万円とします。自己資金は1,200万円。満室想定家賃、つまり潜在総収入(GPI)は820万円ですが、そこから表面利回りや総収益率、自己資本利回りがどのくらいになるのかみてみましょう。購入時の費用や運営費用、ローンの詳細など、そのほかの条件も含めた物件概要は以下の通りです。
なお、ローンの計算については、ローンシミュレーター「keisan」の「ローン返済(毎月払い)」を使って計算しています。
●新築
●木造
●土地購入金額:3,500万円
●建築費:8,200万円(税込)
●外構・地盤工事費:550万円
●その他諸費用:950万円
●満室想定家賃(GPI):820万円
●空室・滞納損失:17万円
●運営費用:200万円
●自己資金:1,200万円
●借入金額:1億2,000万円(元利均等方式)
●借入金利:2.0%
●借入期間:35年
●年間ローン返済額:477万円
※出典:ローンシミュレーター「keisan」

表面利回り

表面利回りの計算式は「年間家賃収入÷物件購入価格×100」です。このシミュレーションを行う物件では、満室想定家賃(GPI)は820万円となっています。物件価格として土地代に3,500万円、建築費として8,200万円、外構・地盤工事費に550万円かかっているため、分母となる物件購入価格は合計で1億2,250万円です。
以上の数字を計算式に当てはめてみると、以下になります。

820万円÷1億2,250万円×100≒6.7

シミュレーションの結果、この物件の表面利回りは約6.7%ということになります。ここでは空室や滞納による損失があっても考慮されておらず、運営にかかるコストも反映されていません。

総収益率(FCR)

総収益率(FCR)の計算式は、「純営業収益(NOI)÷総投資額×100」です。総収益率を計算するために、まずは物件概要から実効総収入(EGI)と純営業収益(NOI)を求めます。
実効総収入は空室や滞納による損失額17万円を満室想定家賃から差し引くので、計算式は以下になります。

820万円-17万円=803万円

純営業収益(NOI)は実効総収入から、さらに必要経費と税金を引いた額になります。運用費用は200万円となっているため、純営業収益の計算式は以下になります。

803万円-200万円=603万円

総収益率(FCR)の分母となる投資総額は、物件購入価格の1億2,250万円にその他諸費用950万円を足して、合計1億3,200万円となります。
総収益率(FCR)の計算式は以下になります。

603万円÷1億3,200万円×100≒4.57

総収益率(FCR)は約4.57%です。

自己資本利回り(CCR)

自己資本利回り(CCR)の計算式は「年間キャッシュフロー÷自己資本×100」でした。年間キャッシュフローは純営業収益(NOI)からローンの返済額を引いた金額となるため、まずはローンシミュレーター「keisan」を使ってローンの返済額を計算します。
借入金額1億2,000万円、借入金利2.0%、借入期間35年で計算すると、毎月の返済額は39万7,515円となりました。1年間では477万180円になるため、ここでは477万円とします。
年間キャッシュフローは以下の計算式で求められます。


603万円-477万円=126万円


自己資金は1,200万円であるため、自己資本利回り(CCR)の計算式は以下になります。


126万円÷1200万円×100=10.5


自己資本利回り(CCR)は10.5%となりました。
※出典:ローンシミュレーター「keisan」

まとめ

不動産投資は利回りだけで決まるものではありませんが、投資するかどうかを決める際の指標としては欠かせません。利回りの特徴を正しく把握し、表面利回りだけで決めず、総収益率(FCR)や自己資本利回り(CCR)を試算して綿密に収支計画を立てることが必要です。
利回りは種類や新築・中古、地域の違いによって異なり、「最低ラインは何%」「理想的な利回りは何%」と一概にはいえないところがあります。毎月のキャッシュフローを少しでも稼ぐ、節税のために収益物件を取得する、富裕層が相続対策のために取得するなど、投資目的によっても利回りは異なってきます。
利回り計算はこまごまとしていて、専門的なところがあります。利回り計算を難しいと感じた方は、ぜひ当社・大和財託にご相談ください。
大和財託では、完全無料のプライベート相談を実施しており、利回り計算をはじめ収益物件を選ぶポイントのアドバイスもさせていただいております。専門のコンサルタントがお客様のご要望や状況をお伺いし、お客様に最適な不動産投資プランをご提案いたします。ぜひお気軽にご利用ください。

監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
書籍「収益性と節税を最大化させる不動産投資の成功法則」や「収益性と相続税対策を両立する土地活用の成功法則」を発売中。

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