ペットの飼育は、以前は戸建てに住む方を中心にファミリー世帯で行われることが多かったですが、最近では単身の若年層や高齢者の方でも共同住宅でペットを飼う方が多くいらっしゃいます。
当社が管理する収益物件でも「ペット可」を入居者の募集条件とすることも多く、安定的な入居者の確保につながっています。
今回は、賃貸経営における「ペット可」物件のメリットとデメリットについて解説します。
目次
ペット可物件の賃貸経営メリットとデメリット
賃貸経営においてペット可にするメリットとデメリットについて、それぞれ説明します。
ペット可にするメリットは3つ
- 入居率が高くなりやすい
- 賃料を高く設定できる
- 長期入居につなげることができる
ペット可の物件供給数自体が多くないため、通常の物件と比べて入居率が高くなりやすい傾向があります。
あわせて、ペット可物件の希少性から賃料設定を相場よりも高くすることも可能になります。
ペットの飼育をしている人が、新しい住まいを探すことは簡単ではありません。
ペットの飼育をしている人は、何を飼うかによって細かい基準は異なりますが、飼育していない人に比べるとペットの居住環境や近隣の散歩コースなど自身の住環境以外にも配慮しなくてはいけないので、物件選びのハードルは高くなります。
そして、ペット可の物件が少ないということは転居先をみつけることも難しいということで、一度入居されると長期に渡り住まれる傾向があります。
ペット可にするデメリットは2つ
- 部屋の原状回復費が高額になる可能性がある
- 所有物件を途中でペット可にする場合、既存入居者からクレームが発生する可能性がある
ペットの飼育を行うと壁や床の損傷や臭いなどの問題が発生する可能性があります。
飼い主の管理の対応や飼育するペットにもよりますが、通常の原状回復費用に比べると高額になる可能性があります。
また保有物件を途中でペット可物件にする場合、臭いや泣き声(騒音)などで、入居者同士でのトラブルの原因になる可能性もありますので、既存の入居者などに対しての対策が必要です。
収益物件をペット可にする場合におすすめの対策
収益物件をペット可にして賃貸経営を行う場合、おすすめの対策が3つあります。
- ペットを飼育する際のルールをつくる
- 原状回復に関する取り決めをつくる
- ペット飼育前提の設備環境を整える
ペットの飼育に関しては一定のルールが必要です。
ペットの種類や大きさ、数や飼育方法などを予めルール化し、入居時に確認することが重要になります。
また、追加で飼育するペットが増える場合は必ず申請を義務付けましょう。
収益物件をペット可にする場合のペット飼育ルール参考例
- 入居時(飼育開始時)に種類や大きさ・数などを書類にて写真と共に申請する
- 廊下や階段などの共用部でのルールを決める
- バルコニーやベランダでの飼育はさせない
また、入居者の契約時には原状回復の負担箇所をあらかじめ決めておき、退去時のハウスクリーニングなどの費用についても後々のトラブルにならないようにしておきましょう。
ペット飼育の場合には敷金を多く預かるとか、退去時にはペット飼育に起因する汚損などは全て借主負担とするなどの特約を契約書に明記をするとともに、契約前に説明をして了承をとっておくことが重要です。
ペット可物件の賃貸経営メリットとデメリットについてのまとめ
収益物件をペット可物件にするメリットとしては、賃貸経営を行う上で優位になる「入居率・入居期間・賃料」の向上や改善があげられます。
しかしながら、安易に行うとデメリットにも繋がりやすくなりますのでルールづくりと対策が重要です。
対策を行うことができれば、入居率を高く、賃料も高くすることができますので、安定した賃貸経営に繋がります。
ペット可物件にする場合はしっかりとした対策が必要ですので、信頼できる管理会社と対策を行っていきましょう。
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監修者
藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO
昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
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