不動産投資における銀行の物件評価について教えてください

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不動産投資において、銀行がどういった基準で物件を評価しているかを知ることは非常に大切です。

金融機関は購入者の属性(年収・金融資産)の他、物件評価によって融資の可否および、融資条件を決めるからです。

自分では「評価が出る」と信じて持ち込んだものの、銀行からの評価が全く伸びなかったということはよくあります。

逆に、はじめから「評価が期待できない」と決めつけてしまうと、良い物件を購入するチャンスを逃してしまう可能性もあります。

銀行評価が出やすい物件は、保有後の出口戦略も立てやすいため、銀行がどういった基準で物件評価をしているのかを理解することは非常に大切です。

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収益物件に対して銀行が使う2つの評価方法

銀行の物件に対する評価方法には大きく分けて2種類あります。

  • 積算評価
  • 収益還元評価

順に解説します。

積算評価

積算評価とは、その物件の土地と建物をモノとしての価格で評価する方法です。

積算評価によって計算した不動産価格のことを「積算価格」と言います。

収益還元評価

収益還元評価とは、物件が生み出す収益性から評価する方法です。

収益還元評価により導き出された価格のことを「収益価格」と言います。

それぞれの評価方法について解説します。

※今回紹介する計算式は一般的な考え方となり、数値などは金融機関によりそれぞれ異なります。

積算評価の具体的な計算方法と解説 

まず積算評価について具体的な計算方法とともに説明します。

「積算評価」は、物件の土地と建物のモノとしての価格から評価する方法で、下記の式で求められます。

土地=(相続税路線価×土地面積)

建物=(再調達原価×建物延床面積)×[残存年数÷法定耐用年数]

積算評価=土地+建物

「相続税路線価」とは、土地の相続税や贈与税を計算する際に使う価格で、「公示価格」の8割が基本です。

相続税路線価を調べたい場合は、国税庁のホームページで公開されていますので、インターネットでも簡単に調べることができます。

また、土地の立地や形状によって各金融機関が掛け目で調整を行います。

たとえば、商業地は土地活用に制限が少ないためプラスで見られる傾向があり、工業地は周辺に工場が建つ可能性があることからマイナスで見られる傾向があります。

土地の形状としては、接道道路の幅員が大きく正方形に近い土地のほうが、評価は伸びやすい傾向にあります。

「再調達原価」とは、建物を新たに建築する場合に要する費用のことで、構造によって単価が異なります。

再調達原価(㎡あたり)

RC造:19万円

重量鉄骨造:16万円

軽量鉄骨造・木造:13万円

具体例を挙げて計算してみましょう。

【積算評価の計算の前提条件】

・土地

面積:240㎡

路線価:1㎡あたり17万円

用途地域:第一種住居地域

・建物

建物構造:RC造

築年数:25年

建物延床面積:650㎡

【計算式】

土地積算評価:240㎡×17万円/㎡=4,080万円

建物積算評価:19万円/㎡×650㎡×(47年-25年)÷47年

       =5,780万円

合計積算評価:4,080万円+5,780万円

       =9,860万円

収益還元評価の具体的な計算方法と解説

つづいて「収益還元評価」について具体的な計算方法とともに説明いたします。

「収益還元評価」は、冒頭で説明した通り不動産の収益性に着目し、将来得られる収益を現在の収益から割り引いて物件を評価する方法です。

そのため、物件の生み出す収益力が高ければ不動産価格も高くなり、収益力が低ければ物件の価格も安くなります。

「収益還元評価」によって「収益価格」を求めるには、2つの方法があります。

  • 直接還元法
  • DCF法(Discounted Cash-Flow)

それぞれの算出方法について、順に解説します。

直接還元法

一期間(通常一年)の純収益を還元利回りで割り戻して不動産の価格を算出する方法です。

収益価格= 純営業収益NOI ÷ 還元利回り

こちらも具体例を挙げて計算してみます。

DCF法(Discounted Cash-Flow)

DCF法は、将来的に得られる利益と売却時の予想価格を現在の価値に割り引いて、その合計を不動産の評価とする方法です。

DCF法は計算式が複雑なため、考え方のみ紹介させていただきます。

たとえば、毎月10万円の賃料が入れば年間120万円になりますが、今すぐに受け取れる120万円と1年後に受け取れる120万円の資産価値は異なります。

今受け取れる120万円は運用で増やすこともでき、120万円以上の価値になる可能性があります。

ですが、1年後に受け取る120万円は、未来の収益のため不確実なものとなり、今受け取れる120万円よりも価値が低くなります。

その分を割り引いて評価する必要があるというのがDCF法の考え方となります。

不動産投資における銀行の物件評価についてのまとめ 

不動産投資を始めるにあたって、銀行の物件評価方法を知ることができれば、融資の引きやすい物件を見つけることができます。

物件評価の計算式自体は難しくないため、ぜひ物件選定の際はチャレンジしてみてください。

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監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
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