家賃が滞納された場合はどうすればいい?滞納家賃を費用計上する方法

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家賃の滞納があると、収益不動産の収入が無い状態になります。

しかし、家賃が滞納されて入金がない状態であっても、会計上は家賃収入があったものとして売上計上され、税金の支払い対象になってしまいます。

家賃滞納があった場合はまず滞納家賃の回収に動くことが重要ですが、どうしても滞納家賃の回収が難しい状況であれば、そのまま放置せず適切なタイミングで『貸倒損失』として処理する必要があります。

今回のコラムでは、滞納家賃が回収できない場合の対処についてお伝えします。

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滞納家賃が回収できなくなった場合の『貸倒損失』処理は事業的規模かどうかで異なる

滞納家賃の回収の見込みがなくなった場合は『貸倒損失』として計上します。

事業的規模の場合

事業的規模の場合、貸倒損失と認められれば、要件を満たした年の貸倒損失(経費)として計上が出来ます。

事業的規模について詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです。

→「不動産所得の事業的規模って何ですか?

事業的規模ではない場合

事業的規模ではない場合は、収入として計上した年まで遡り、回収不能に対応する収入が無かったものとして、過去の確定申告を修正して税金の還付を受けることになります。

滞納家賃が貸倒損失と認められるための要件は3つ

滞納家賃が貸倒損失と認められるためには、下記の要件のいずれかに該当する必要があります。

  • 法律上の貸倒
  • 事実上の貸倒
  • 形式上の貸倒

①法律上の貸倒

・更生計画認可、再生計画認可、特別清算に係る協定の認可、整理計画の決定等により、滞納家賃が切り捨てられることになった場合。

・借主の債務超過の状態が相当期間継続し、その滞納家賃の弁済を受けることができないと認められる状況において、その借主に対し債務免除を書面により通知した場合

※ただし債権の切捨て、または債務免除があったとしても、借主の資産状況、支払能力等からみて、それが借主に対する実質的な贈与であるときは、貸倒れと認められない可能性があることに留意が必要です。

②事実上の貸倒

・借主の資産や支払能力等の状況から、担保を処分した後でも滞納家賃の全額回収できないことが明らかになった場合。

③形式上の貸倒

・借主が部屋を出て行った日(取引停止日)、または最後の家賃振込日のいずれか遅い日以後1年以上経過している場合(担保がある場合を除きます。)

・未収金の取立に要する費用額よりも未収金が少なく(未収金取立費用>未収金)、借主に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がない場合。

一つ目の場合は、比較的わかりやすいのですが、2つ目の場合の資産状況などの把握などが現実的に難しいことがあります。

また、保証人がいる場合は、保証人から回収できないことも明らかにしないと貸倒損失は認められません。

もし家賃滞納者が発生してしまった場合は、滞納者への対応に関しての証拠書類は必ず保存するようにしましょう。

証拠書類には例えば以下のようなものがあります。

  • 滞納者の家賃入金の履歴
  • 滞納者への資産状況等の聞き取り記録
  • 滞納者への催促の状況記録・内容証明
  • 借主に対し債務免除を書面により通知した場合の内容証明

また、貸倒損失として計上を検討する際は、税務署や税理士に必ず相談するようにしてください。

現金主義の場合は滞納家賃を収入に計上しなくて良い

現金主義による所得計算とは、現実に受け取った金額や支払った金額を収入や経費とするものです。

本来は収入金額や必要経費は未収や未払いであっても計上しなければなりませんが、現金主義の場合はその必要はないとされています。

そのため、滞納家賃を収入に計上しなくてもよいとされています。

現金主義を採用できる基準としては、『その年の前々年の不動産所得及び事業所得の金額の合計額が300万円以下である青色申告者』となります。

現金主義で帳簿付けをするには、青色申告であることが条件となっています。

しかしながら、青色申告特別控除55万円(電子申告の場合は65万円)を受けるためには、正規の簿記の原則で経理することが必要であるため、現金主義による場合は、10万円の青色申告特別控除の適用になってしまう点に注意が必要です。

適用の際には、事前に税務署への届け出が必要になります。

なお白色申告の場合は、現金主義による記帳が認められていません。

滞納家賃に悩まない不動産投資に必要なこと

不動産投資において、満室経営を実現させるだけではなく安定的な賃料の回収が出来ている状態が重要になります。

「入居申込があった際に滞納しそうな人を見極めて入居させない」ということが賃料回収において、重要な対策の一つとなります。

家主と入居希望者との間に、不動産会社が介している場合も多いと思いますので、信頼できる不動産会社を選ぶことも大切です。

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監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
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