築古物件の購入で気を付けることは?②

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前回までの流れ

前回は築古物件を購入する際に検討するポイントを紹介させて頂きました。

今回は具体的な事例をもとに、築古物件の購入パターンを見ていきたいと思います。

前回の記事はコチラ

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築古物件の購入で気を付けることは?

以下の物件の購入を検討しているとします。

~事例~

価格:4,000万円

利回り:10%(現況満室)

構造:木造

築年数:30年

積算価格:2,700万円

土地面積:135㎡(41坪)

土地実売価格相場:坪70万円

初期費用:250万円(仲介手数料、登記費用、不動産取得税)

※大規模修繕済の物件とする

築年数30年と、木造の法定耐用年数を大きくこえています。

また、売却価格と積算価格にも乖離が見られます。

※積算価格とは?
土地の価格と、建物の再調達価格(物件を再度建設するときにかかる費用)
を合算した価格のこと

この物件の購入に際しての検討ポイントは大きく2つです。

1つ目は、融資づけです。

一見、法定耐用年数を大きくこえており、金融機関の融資期間も伸びづらいように思えます。

しかし、価格が4,000万円と比較的小規模であるため金融機関からも「リスクを抑えて取り組みやすい」と判断され、購入者の属性によって、金利1%~2%前半、融資期間20年以上で融資を出す金融機関があります。

金融機関側にとって「いかにリスクを抑えた融資ができるか」は融資を引く際の重要なポイントになります。

2つ目は、保有目的・出口戦略です。

築古物件を購入する目的の一つとして「節税」があります。

税金の計算上、短い期間で減価償却を大きくとることができれば不動産所得を赤字にすることができます。

個人で物件を取得した場合、
不動産所得と給与所得は確定申告の際に合算するので最終的な課税所得を抑えることができ、税引後キャッシュフローを多く残すことにつながります。

本物件の場合は、4年で減価償却し、長期譲渡の税率となった時点で、売却をします。

またこの物件にはもう一つ、長期保有後、解体し土地として売却をすることも可能です。

例えば20年程保有を考えておられる場合、売却の際は、土地の実売価格で考える必要があります。

本物件の場合、

土地実売価格相場×土地面積-建物解体費用=出口の売却価格
→坪70万円×41坪-200万円(概算)=2,670万円

20年保有後に2,670万円程で売れると見込められれば、出口戦略の見通しとしては問題ないと言えるでしょう。

終わりに

毎年築古物件への注目は大きくなっております。

築古物件は築浅物件と比べると利回りが良いので、融資期間を伸ばすことが出来れば、多くのキャッシュフローを得ることができます。

また、保有中に適切な修繕やメンテナンスを行えば、一般市場でも価値ある物件として出口を迎えることも可能です。

様々なメリットのある築古物件を資産形成の選択肢に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

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監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
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