中古物件の購入を検討していますが、賃料が妥当か心配です。

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収益不動産を購入する際、投資効率や収支を見る為、投資シミュレーションを組みます。
現況の空室や、家賃収入、返済額等を加味して、キャッシュフローや損益分岐点を試算します。

シミュレーションによって、この不動産に投資をするリスクやメリットがある程度見えてきます。
逆に言えば、正確な情報と正確な知識によってシミュレーションを作らなければ、投資計画がくずれ、大きな損失が生活を圧迫してしまうことにもなりかねません。

正確なシミュレーションを組む上で、大きく作用してくるのが「賃料」です。

賃料により、収支は大きく変わってきますし、高すぎる賃料で設定されていても、シミュレーション上の投資パフォーマンスは良く見えますが、実際のところ家賃下落が大きくなってしまい、それに伴いシミュレーション通りの投資が出来なくなる、という事態が容易に想像できます。

今回は中古物件における賃料について見てみましょう。

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賃料査定

賃料査定とは、周辺の取引事例や家賃相場等のデータを客観的に判断して、入居付けが可能な賃料や敷金・礼金・保証金や広告料等の条件を精査することを言います。なぜ賃料査定を行うかというと、以下の項目を把握する必要がある為です。

  • 現在の賃料に妥当性があり、その賃料前提でキャッシュフローが回るのか。
  • 今後の賃料下落の幅や返済に余裕はあるのか。

さらに現在の賃料相場を把握するだけでなく、入居中の部屋についても注意が必要です。

賃料の見方の注意点

中古の不動産に関しては入居時期により、賃料に差がある場合があります。
それは、築浅時に入居した場合と、十数年後に入居した場合では、築浅の賃料が高く、十数年後の賃料は低くなるためです。

その為、現況のシミュレーションで使われる満室想定賃料は、現在入居している部屋は入居時の家賃で試算がされます。ですが、今後その部屋に退去が出た場合、新たに募集する賃料は、当時の相場ではなく、現時点での家賃相場です。つまり、入居当時の家賃が現在の相場より高い場合、その下落幅は大きくなる可能性があり、下落した分満室賃料はシミュレーションの賃料を下回ることになってしまいます。

よって、中古不動産の購入を検討する際には、現状の賃料から満室想定賃料を試算しシミュレーションを作るのではなく、現状入居している部屋がすべて退去し新たに募集しなくてはいけない場合の家賃相場で満室想定賃料を試算し、シミュレーションを作ることが重要となります。

その上で、前述したような、キャッシュフローが回るのか、下落幅は今後どのくらいなのか、返済はしても余裕があるのか等を検討していくこととなります。

さいごに

不動産投資において、賃料をどうとらえるかは物件購入において特に注意すべき点です。

賃料は一見現在の満室想定賃料を見てしまいがちですが、その後起こりうる家賃下落を考えて、シミュレーションを組むことで、安定した不動産投資につながります。その為、高い賃料でシミュレーションを組み、購入してしまうと取り返しがつかなくなる場合もあります。

判断の基準となる賃料査定については不動産会社に依頼をし、様々なデータやノウハウ、経験測から査定していただくのが良いでしょう。

適正な賃料を見極め、正しいシミュレーションにより物件を判断し、リスクの少ない不動産投資をしていきましょう。

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監修者

藤原 正明/大和財託株式会社 代表取締役CEO

昭和55年生、岩手県出身、岩手大学工学部卒。
三井不動産レジデンシャル株式会社で分譲マンション開発に携わり、その後不動産会社で収益不動産の売買・管理の実務経験を積む。
2013年に大和財託株式会社を設立。収益不動産を活用した資産運用コンサルティング事業を関東・関西で展開。
中小企業経営者、土地オーナー、開業医・勤務医、高年収会社員などに対して多様な資産運用サービスを提供している。
自社設計施工により高品質ローコストを実現している新築1棟アパート・マンション、中古物件のリスクを排除した中古1棟リノベーション物件、デジタルテクノロジーを活用した不動産小口化・証券化商品、利益最大化を実現する賃貸管理サービスなどを、顧客のニーズに合わせて組み合わせて提案できることが強みである。
資産運用領域で日本No.1の会社を目指し日々経営にあたっている。

マッスル社長としてYouTubeでも活躍中。
書籍「収益性と節税を最大化させる不動産投資の成功法則」や「収益性と相続税対策を両立する土地活用の成功法則」を発売中。

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