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不動産投資における利回りを徹底解説! 〈利回りのシミュレーションあり〉

2022年11月10日(木)


 

不動産投資に関心を持った人なら、「利回り」という言葉を聞いたことがあるでしょう。不動産投資にとって重要な指標となる利回りについて、きちんと理解をしておくと適正な投資判断ができるようになります。


 

ここでは、一見すると難しい利回りについて基本に立ち返り、徹底解説します。具体的なシミュレーションも交えて、重要ポイントを解説しますので、ぜひ最後までお読みください。


 

不動産投資の利回りとは


不動産投資も投資の一種ですので、投資の原則にのっとって行う必要があります。投資では利回りを重視するように、不動産投資においても利回りは重要な意味を持ちますが、その中身を知っておく必要があります。


 


投資した金額に対する収益の割合


 


投資には、その判断基準となるいくつかの指標があります。たとえば株式投資では、以下のような指標があります。


  • PER(株価収益率)
  • PBR株価純資産倍率
  • ROE自己資本利益率
  • ROA(総資産利益率)

    など

 


これらの指標を使うことで、投資家は複数ある投資商品を比較したり、売買の判断を下したりすることができます。


投資指標のもっとも基本となるのが「利回り」です。利回りを簡単にいうと、投資金額に対する収益の割合のことです。株式投資を行うと配当金を得ることができますが、投資金額に対する配当金の割合が「配当利回り」になります。


 


不動産投資の場合は、物件価格の総額に対する家賃収入額の割合となります。


利子、利率、騰落率との違い


利回りと近い指標に「利子」「利率」「騰落率」があります。これらと利回りはどう違うのでしょうか。


利子とは、借りたり貸したりしたお金に一定の割合で支払われる対価(金額)のことを指します。利息もほぼ同じ意味です。


利率は、この借りたり貸したりしたお金に対する対価の割合を指し、通常は「%」で示します。同じ意味のものに金利があります。


騰落率は、株式・債券・投資信託などの投資商品が一定期間内にどれだけ値上がり・値下がりしたかを表す指標のことです。こちらも%で示します。不動産投資の場合は、物件価格の騰落率が考慮されます。


表面利回りとは


不動産投資で使用される利回りには、いくつかの種類があります。ここでは、その代表的なものである「表面利回り」「実質利回り」「総収益率・FCR」の3つについて解説します。


まず表面利回りですが、年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数字です。グロス利回りとも呼ばれます。式で表すと以下になります。


表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100


年間家賃収入は、満室想定の家賃収入になります。


表面利回りは物件の収益性をざっくりと把握し、比較検討するために使用されます。物件管理のための諸経費や税金などのコストは省略されていますので、現実の資金の流れとは大きく食い違ってきます。


 


当然この数値が大きいほど収益性が高い物件といえるわけですが、収入が満室想定で支出や諸費用が省略されているので、この数値だけで投資判断をしてはいけません。表面利回りの大きい・小さいだけで投資判断をすることは、大変危険です。


 


実質利回りとは


 つづいて、実質利回りです。実質利回りはネット利回りとも呼ばれます。


 


実質利回りの計算式で使われる分子は、表面利回りの分子である年間家賃収入から空室期間の損失や物件管理の運営費用を差し引いた額になります。この額を「純営業収益(NOI)」といいます。詳細は後述します。


 


実質利回りの計算式は次のようになります。


 


実質利回り(%)=純営業収益(NOI÷物件価格×100


 


実質利回りは表面利回りと比較すると比較的実態に近い数字になりますが、当社ではこの数値を投資判断の指標にはしません。


 


なぜなら、分母が物件価格のみであって、実際の投資にかかる費用を反映していないからです。


 


総収益率、FCRとは


 実質利回りよりも厳密な利回りの算定方法として、「総収益率」という指標があります。これは、FCRFree & Clearly Return)と呼ばれるもので、純営業収益(NOI)を物件購入時の諸費用を含めた物件価格、つまり投資総額で割った数字です。


 


FCR(%)=純営業収益÷投資総額×100


 


FCRはもっとも厳密な利回りの計算方法であり、物件の「真の利回り」と呼ぶべきものです。当社が物件の投資パフォーマンスを判定する指標とするのが、このFCRです。


 


純営業収益、NOIとは


純営業収益について詳しく見ていきます。


 


純営業収益は英語で「Net Operating Income」といい、頭文字を取って「NOI(エヌオーアイ)」と呼ばれています。


 


NOIは、年間満室想定家賃収入から想定される空室損失、滞納損失、物件管理のための運営費用(管理委託費、修繕費用、火災保険料など)、税金(固定資産税・都市計画税)を差し引いた後の値で、その物件から生み出される実際の収益を指します。


 


ただし支出の中でも、現金支出をともなわない減価償却費や支払利息などの金融費用、物件の資産価値を高めるリノベーション費用などの資本的支出はNOIから除外されます。


 


実効総収入とは


純営業収益(NOI)に関連する用語で、「実効総収入」というものがあります。これは英語で「Effective Gross Income」といい、頭文字を取って「EGI」と呼びます。


 


EGIは、NOIの収入部分を指し、年間満室想定家賃収入から空室損失と滞納損失(未回収損失)を差し引いた額になります。EGIには、家賃収入以外の自動販売機収入や看板広告収入、基地局設置収入などの雑収入を算入することもあります。


 


ちなみに、年間満室想定家賃収入は「総潜在収入Gross Potential Income」と呼ばれ、GPIと略されます。


 


運営費用とは


収益物件の管理には、さまざまなコストがかかります。賃貸経営で発生するコストにはどのようなものがあるか項目を見てみましょう。


 


固定資産税


固定資産税とは、土地・家屋・償却資産を所有している人が市町村に納める税金です。(東京都23区内の場合は、東京都に都税として納税します。)収益物件を所有していると必ず課税されることになります。


 


固定資産税は以下の計算式で求められます。


 


固定資産税額  課税標準額 × 税率1.4%)


 


固定資産税には住宅用地に対する軽減措置があります。200平方メートル以下の住宅用地は、小規模住宅用地として固定資産税が評価額の6分の1に軽減されます。200平方メートル超の部分に関しては、評価額の3分の1に軽減されます。


 


賃貸不動産の場合は、200平方メートルに住戸数を掛けた面積が小規模住宅用地として算出されます。


 


また、固定資産税には新築住宅の減額措置があり、2024331日までの間に新築された住宅は2分の1に減額されます。適用には面積の要件があり、戸建て以外の賃貸住宅の場合床面積が40平方メートル以上280平方メートル以下となります。(共同住宅の場合、各専用部分に共用部分面積を按分して加えた面積です。)


 


軽減期間は、戸建て住宅で3年、マンション(3階以上の耐火・準耐火建築物)で5年、認定長期優良住宅で5年、マンションかつ認定長期優良住宅で7年となります。


 


都市計画税


都市計画税とは、市街化区域内に土地や家屋を持っている人に課税される市町村税です(東京23区の場合は都税)。ただし、市街化区域外であっても、市街化調整区域と非線引き区域のうち条例で定める区域には課税されます。固定資産税とあわせて納税する形です。


 


都市計画税の計算式は以下になります。


 


都市計画税額 課税標準額 × 税率0.3%)


 


都市計画税にも小規模住宅用地の軽減措置があり、200平方メートル以下の住宅用地は都市計画税が評価額の3分の1に軽減されます。200平方メートル超の部分に関しては、評価額の3分の2に軽減されます。


 


都市計画税の場合も、賃貸不動産は200平方メートルに住戸数を掛けた面積が小規模住宅用地として算出されます。


 


総務省|地方税制度|都市計画税 (soumu.go.jp)



 


火災保険料


所有する収益物件が、突然の災害・事故・入居者の過失などで損害を受ける可能性があります。こうしたリスクに備えるのが火災保険です。


 


火災保険の補償対象は「建物」と「家財」に分けられ、建物を補償する火災保険はオーナーが加入し、家財を補償する火災保険は入居者が加入するのが基本となります。


 


賃貸不動産向けの火災保険は、特約により補償範囲を広範囲に選択することができます。オーナー向けの特約としては、以下のものがあります。


 


〈建物賠償責任特約〉


 


建物の管理不備が原因で、屋根瓦が下を歩いていた通行人に落下し、ケガを負わせてしまったなどの損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。


 


〈家賃収入特約〉


 


火災により物件が消失したため、家賃収入がなくなった際に保険金が支払われます。


 


〈家主費用特約〉


 


孤独死が発生し、新たな入居者が見つからず長期間空室となった場合に保険金が支払われます。


 


保険料については、補償範囲や物件の規模・構造・築年数などによって大きく変わります。


 


管理費


収益物件の管理方法は、大きく分類してオーナー自らが管理業務を行う自主管理方式と、管理会社に委託する管理委託方式の2つがあります。


 


自主管理方式では、管理にともなうこまごまとした費用がすべて管理費となります。管理委託方式は管理会社に物件の管理を任せますが、管理会社に支払う報酬が管理委託手数料です。


 


管理委託手数料は、家賃の5%が相場となっています。


 


修繕費用


賃貸不動産を管理していくには、定期的なメンテナンス・修繕が必要になり、そこにコストが発生します。


 


賃貸不動産の修繕は、おおまかに以下の3つに分けることができます。


 


〈原状回復工事〉


 


賃貸住宅の賃貸借契約が終了し、入居者が退去した後入居時の状態に戻すことを原状回復といいます。原状回復工事の費用負担のガイドラインについては、20204月に施行された改正民法に明記されることとなりましたが、入居者の故意・過失による損傷は入居者が負担、経年変化などの損耗はオーナーが負担することが原則になります。


 


〈小規模修繕〉


 


建物・設備の比較的小規模な修繕工事を指します。外壁の部分的な補修・塗装や建具の補修、設備の部品交換など多岐にわたります。


 


〈大規模修繕〉


 


建物は経年変化により劣化が避けられません。おおよそ15年に一度、屋根の葺き替えや防水処理、外壁塗装、タイルの張り替え、ベランダ・階段・廊下の塗装などの大規模修繕が必要となります。また、築年数が古い物件は、耐震補強工事を行わなければならないケースもあります。


 


国土交通省が発行している『民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック』をもとに、おおよその工事内容と予算規模を見ていきましょう。


 


RC(鉄筋コンクリート)造20戸の賃貸アパート・マンションでは、次のようなイメージになります。


 


築年数


工事内容


予算


510年目


ベランダ・階段・廊下(塗装)


室内設備修理


排水管高圧洗浄等


1戸あたり約9万円


1棟あたり約170万円)


1115年目


屋根・外壁(塗装)


ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)


給湯器等(修理・交換)


排水管高圧洗浄等


1戸あたり約55万円


1棟あたり約1,090万円)


1620年目


ベランダ・階段・廊下(塗装)


室内設備(修理)


給排水管(高圧洗浄等・交換)


外構等(修繕)


1戸あたり約23万円


1棟あたり約460万円)


2125年目


屋根・外壁(塗装・葺替)


ベランダ・階段・廊下(塗装・防水)


浴室設備等(修理・交換)


排水管(高圧洗浄)


1戸あたり約116万円


1棟あたり約2,320万円)


2630年目


ベランダ・階段・廊下(塗装)


室内設備(修理)


給排水管(高圧洗浄等・交換)


外構等(修繕)


1戸あたり約23万円


1棟あたり約460万円)



 


 


出典:国土交通省 民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック


https://www.mlit.go.jp/common/001231404.pdf


 


水道光熱費


賃貸不動産の専有部分(各居室)の水道光熱費は、入居者が負担するべきものです。共用部分、たとえば廊下の電灯や庭に設置された水道などの水道光熱費については、オーナー名義で電力会社や自治体と契約し、支払っています。


 


この共用部分の水道光熱費については、入居者が共同して費用を負担するという考え方が一般的です。そのため、オーナーは管理費、または共益費という名目で家賃とは別に入居者から徴収し、オーナーによる共用部分の水道光熱費支払いに充当しています。


 


購入諸費用とは


次に、収益物件の購入時にかかる購入諸費用について、内訳を見ていきましょう。


 


仲介手数料


物件を不動産仲介会社の仲介によって購入した場合は、会社に仲介手数料を支払います。この費用が購入諸費用で一番かかる費用となります。


 


仲介手数料は宅地建物取引業法によって計算方法が定められており、物件価格に応じて金額が算出されます。計算式は以下になります。


 


不動産の取引価格


仲介手数料の上限


200万円以下


取引価格×5%+消費税


200万円超400万円以下


取引価格×4%+消費税


400万円超


取引価格×3%+消費税



 


 


不動産の取引価格が400万円を超える場合、以下の速算法で計算することができます。


 


取引価格×3%+6万円消費税


 


手数料はあくまで上限であって、その価格で確定というわけではありません。また、不動産仲介会社は仲介手数料以外の名目で金品を請求することはできません。


 


不動産会社から物件を購入したケースで、不動産会社が自ら売主だった場合、仲介手数料はかかりません。


 


登記費用


不動産を購入すると、その物件が自分のものであることを公に明らかにするために不動産登記を行います。新築物件の場合は、土地部分は所有権移転登記、建物部分は所有権保存登記となり、中古物件の場合は両方とも所有権移転登記となります。


 


また、金融機関から融資を受ける場合は、抵当権設定登記を行います。登記費用は、登記をする際に支払う税金である登録免許税と、登記手続きを行う司法書士の報酬があります。


 


登録免許税の額は、課税標準額×税率で計算されます。税率は登記の内容によって変わり、それぞれ軽減措置があります。


 


司法書士の報酬は、おおよそ520万円です。


 


不動産取得税


不動産取得税は、土地・家屋を取得した場合に一度だけ課される都道府県税です。


 


不動産取得税の額は、課税標準額×税率で計算されます。税率は土地、住宅、それ以外の建物で変わり、軽減措置があります。


  


シミュレーション


新築一棟アパートを購入した場合の具体例を用いて運営費用と購入時諸費用を試算してみましょう。


 


試算条件


物件価格


9,200万円


土地3,680万円、建物5,520万円(税込)


年間収入


650万円


土地 固定資産税評価額


1,480万円


建物 固定資産税評価額


2,190万円



 


 


運営費用


固定資産税


土地3.4万円 建物30.6万円


都市計画税


土地1.4万円 建物6.5万円


火災保険料


8万円


管理費管理委託手数料


21万円(実効総収入×3.3%)


修繕費用


16万円(年間収入×2.5%)


合計


86.9万円



 


 


 


購入時諸費用


仲介手数料


309.6万円


登録免許税


67.7万円


司法書士報酬


15.0万円


不動産取得税


87.8万円


合計


464.1万円



 


 


不動産投資における利回りの特徴


不動産の物件は、同じものが2つと存在しません。戸建て住宅や1棟ものならすぐに理解できると思いますが、同じ築年数・平米数・間取りの区分マンションであったとしても階数や方角、角部屋か否かなどで家賃と物件価格が違ってきます。


 


収益物件も、立地状況、新築か中古か、構造は何かによって家賃・物件価格が相違し、利回りも変動します。それぞれの条件で利回りがどう変わるのかを見ていきましょう。


 


立地ごとの利回り


一般的には、都市部は利回りが低く、地方は利回りが高くなります。利便性が高く、人気のある都市部は物件価格が高額になりがちで、利回りは低くなります。


 


逆に、利便性に劣る地方は物件価格が低くなることから、利回りは高くなります。ちなみに、この章で登場する利回りは、すべて表面利回りです。


 


統計データから確認してみましょう。収益物件のポータルサイトである「健美家」がレポートしている「収益物件市場動向マンスリーレポート 20227月期」によると、首都圏の一棟アパートの平均利回りが7.84%であるのに対し、東北地方は12.83%となっています(20227月の値)。


 


物件の平均価格を見てみると、首都圏が7,815万円なのに対し、東北地方は4,618万円となっており、この差が利回りの差の1つの要因となっていることがわかります。


 


出典:健美家 収益物件市場動向マンスリーレポート 20227月期


https://www.kenbiya.com/img/press/pre2022-08-01.pdf


 


新築・中古物件の利回り


新築と中古の物件を比べてみるとどうなるでしょうか。一般的には、新築物件は利回りが低めで、中古物件の利回りが相対的に高めとなる傾向にあります。


 


物件の構造ごとの利回り


賃貸アパート・マンションは主に木造、RC(鉄筋コンクリート)造、鉄骨造に分けられます。それぞれの利回りを考えてみましょう。


 


木造の主な特徴としては、建築費が安いため物件価格が比較的低額になることが挙げられます。


 


RC造は建築コストが高いため物件価格が高くなるが、法定耐用年数も長く資産価値が長持ちするということが特徴です。


 


鉄骨造は、ちょうどこの中間に当たります。


 


そうすると、利回りは木造>鉄骨造>RC造となります。先ほど引用した「収益物件市場動向マンスリーレポート 20227月期」で一棟アパートが木造・鉄骨造、一棟マンションがRC造とされているので、それを見てみましょう。


 


一棟アパートの全国平均利回りは8.23%なのに対し、一棟マンションは7.77%となっています(20227月の値)。ちなみに、物件価格は一棟アパートの全国平均価格が7,403万円、一棟マンションが16,624万円となっています。


 


出典:健美家 収益物件市場動向マンスリーレポート 20227月期


https://www.kenbiya.com/img/press/pre2022-08-01.pdf


 


利回りシミュレーション


さて、ここからは具体的な物件の実例を上げて、表面利回りと総収益率(FCR)を検討していきます。


 


新築区分マンションのシミュレーション


はじめに新築区分マンションの利回りをシミュレーションしてみます。物件概要は以下になります。


  


・構法構造:RC


・築年数:新築


・購入金額:3,080万円(土地:154万円、建物:2,926万円)


・購入時諸費用:92.4万円 


・満室想定家賃:117.6万円


・運営費用:21.9万円 


 


表面利回り


はじめに、表面利回りを求めます。計算式は以下のようになります。


  


表面利回り(%)=1,176,000÷30,800,000×1003.8181…


 


表面利回りは3.82%となりました。


 


総収益率FCR


次に、初年の総収益率(FCR)を求めます。そのためには、まずは純営業収益(NOI)を算出する必要があります。NOIは、実効総収入から運営費を引いた金額となります。


NOI1,176,000219,000957,000


 


総収益率(FCR)は、純営業収益(NOI)÷純投資金額(購入金額+購入時諸費用)


FCR957,000÷ (30,800,000924,000×1003.01664・・・


 


総収益率(FCR)は3.01%となりました。


 


表面利回りの3.82%だけでは投資判断はできません。総収益率(FCR)では3.01%となり、現実は賃貸収入より支出である借入返済と運営費用(管理費・修繕積立金・固都税など)が大きく、キャッシュフローがマイナスとなり、毎月2万円程度の持ち出しが発生します。


 


つまり、投資不適格の物件ということです。


 


中古一棟マンションのシミュレーション


つづいて、中古一棟マンションの利回りをシミュレーションします。物件概要は以下になります。







・構法構造:RC


・築年数:築25


・購入金額:15,000万円(土地:4,500万円、建物:1500万円)


・購入時諸費用:700万円 


・満室想定家賃:1,200万円


・運営費用:320万円 


 


 


表面利回り


表面利回りの計算式は以下のようになります。


 


表面利回り(%)=12,000,000÷150,000,000×1008.0


 


表面利回りは8.0%となりました。


 


総収益率FCR


先ほどと同様に、純営業収益(NOI)から算出します。


NOI12,000,0003,200,0008,800,000


 


総収益率(FCR)は、純営業収益(NOI)÷純投資金額(購入金額+購入時諸費用)


FCR8,800,000÷ (150,000,0007,000,000×1005.60509・・・


 


総収益率(FCR)は5.60%となり、かなり良いパフォーマンスとなりました。月々借入金を返済しても十分手残りがあり、投資として成功した形です。


 


新築一棟アパートのシミュレーション


さらに、新築一棟アパートの利回りをシミュレーションします。物件概要は以下になります。


 

・構造:木造


・築年数:新築


・購入金額:12,000万円(土地:4,800万円、建物:7,200万円)


・購入時諸費用:500万円


・満室想定家賃:900万円


・運営費用:220万円


 


表面利回り


表面利回りの計算式は以下のようになります。


表面利回り(%)=9,000,000÷120,000,000×1007.5


 


表面利回りは7.5%となりました。


 


総収益率FCR


先ほどと同様に、純営業収益(NOI)から算出します。


NOI9,000,0002,200,0006,800,000


 


総収益率(FCR)は、純営業収益(NOI)÷純投資金額(購入金額+購入時諸費用)


FCR6,800,000÷ (120,000,0005,000,000×1005.44


 


総収益率(FCR)は5.44%となりました。投資パフォーマンスとしては、合格点といえるでしょう。


 


利回りにおける注意点


ここまで利回りについて解説してきましたが、利回りに関する注意点をいくつか述べておきます。


 


利回りは高ければ高い方がいい?


利回りは高ければ高い方がいいのかというと、表面利回りの場合は注意が必要です。高すぎる表面利回りの物件は価格が異常に安いことによって実現されているだけなので、入居者が集まらなく長期間空室に悩まされている物件であったり、築年数が古くて建物に大規模修繕が必要であったりと「訳あり」である可能性が高いです。


 


しっかりと収支計算をしたうえで、物件判断を行いましょう


 


利回りが低くても購入はあり?


利回りが低くても購入するケースとしては、将来の物件価格の上昇を見込んでキャピタルゲインを狙う投資手法があります。たとえば、再開発によって地価上昇が予想されるエリアに立っている物件や、希少性があり資産価値の上昇が確実なタワーマンションなどへの投資がそれです。


 


この場合は、これまで述べてきたインカムゲインを得ることを目的とした投資手法とはまったく異なり、利回りをある程度度外視することになります。


 


ただし、物件の目利きがその分シビアに問われます。安定的なキャッシュフローも見込めないので、売却するまで資金に余裕がないとできません。


 


購入当初の利回りを維持することは困難


前章のシミュレーションでは初年で試算しています。一般的に賃貸不動産の家賃は、経年変化にともなって徐々に低下していきますので、利回りはゆるやかに下がっていきます。


 


購入当初の利回りを永続的に維持するのは不可能なので、その点は勘定に入れておいて投資判断をする必要があります。


 


計算が難しければプロに相談しよう


表面利回り、実質利回り、総収益率(FCR)と専門用語がたびたび出てきて、難しいと思ってしまっている人もいるかもしれません。


 


しかしながら、不動産投資は利回りだけで投資判断はできません。たとえば、これまでの説明では、融資のことが計算に入っていません。不動産投資は、融資を活用してレバレッジをかけることができることがアドバンテージなので、融資を計算に入れた指標も使うことになります。


 


自己資本配当率(CCR)や、FCRと借入金の金利との差であるイールドギャップなども重要な指標となります。


 


また、投資効率に時間軸を入れて判断するための内部収益率(IRR)という指標も重要です。こうした指標はさらに扱いが難しくなってくるので、専門家に相談して投資判断をするようにしましょう。


 


まとめ


いかがでしたでしょうか。利回りについて、イメージをつかむことができたでしょうか。


 


利回りに限らず、不動産投資ではさまざまな指標を使うことになります。場面、場面で専門家に尋ね、その意味をしっかりと理解して腹に落ちてから投資判断することをすすめします。


 


信頼できる不動産投資会社を味方につけ、賃貸経営のパートナーにすることが、不動産投資をさらに深く理解する道となるはずです。

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