COLUMN
2019年3月8日(金)
<はじめに>
不動産投資の勉強をしていると、
不動産に詳しい人に
アドバイスをもらいたいという気持ちになるものです。
ただ、不動産会社が不動産投資のプロとは限りません。
たとえば不動産会社の営業担当者から
「必ず儲かる新築ワンルームマンションがあるので、投資しませんか」
と言われたとします。
賢い方であれば、
「本当に儲かるのであれば、当然にあなたも購入しているんでしょう?」
と問われることでしょう。
しかし、担当者のほとんどは
新築ワンルームマンションを購入していません。
不動産会社(厳密には宅地建物取引業者、以下宅建業者)およびその各営業担当者は、
一般的に見れば、不動産に関してあらゆる知識を有しているため、
不動産投資や賃貸経営の知識・ノウハウに長けている印象を持たれるかもしれません。
ただ、不動産投資のノウハウと宅建業者に求められる知識は、
まったく別の物です。
不動産取引としての
重要事項説明項目の調査や各種権利関係調査などは、
どの宅建士でも実務経験があれば
一定のレベルで対応できます。
しかし、不動産投資を行うに際し
必要な知識レベルには差が出てきます。
物件を購入すべきかどうかの投資判断、
賃貸マーケットの見極め、
運用中の支出想定などは
宅建士だからといって、全員ができるわけではないのです。
宅建士は不動産取引のプロではありますが、
不動産投資のプロとは必ずしもいえないのです。
<見極めのポイント>
ポイントは、やはり
その担当者や会社が実際に不動産投資を行っているかどうか
となります。
多くの不動産業界関係者は不動産投資の経験を有していません。
収益不動産を専門に扱う宅建業者であってもです。
実体験が伴っていなければ、
机上の空論と同じで、投資家目線で物事を見ることができません。
たとえば、コスト感覚についてです。
収益物件は、保有期間中にさまざまなコストがかかります。
固都税や管理手数料などのほか、排水管洗浄の実施期間、
一定規模の共同住宅は特殊建築物扱いとなり
別途法定点検が必要になるなど、
実際に運用してみなければわからないことも多いです。
コスト感覚がないと、
表面利回りが高いのでおすすめですよという話になりますが、
表面利回りが高くてもそれ自体には意味はなく、
運営費用などを引いたあとの総収益率(実質利回り)が大切なのは既に述べた通りです。
※参考URL▶ 「不動産投資の「投資指標」とは何ですか?」※
実際に身銭を切って不動産投資・賃貸経営を行っていると、
運用中のコストが事前にわかり、
ひいては投資家の考え方や思いが理解できるのです。
そのほか、
賃貸経営での確定申告・決算の実体験があるのとないのとでは、
賃貸経営における税金の重さの理解度に大きな違いが生じます。
不動産投資の成功のポイントは
良きパートナーに巡り合えるか否かにかかっています。
パートナー選びの際には、
候補の会社・担当者の不動産投資の経験を確認することが大切となります。