家賃滞納リスクを回避するには?

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はじめに

不動産投資のリスクの中で、空室とともに
問題になりやすいのが「家賃滞納」です。

一般的には2~3%ほどの
入居者が滞納すると言われており、
例えば戸数100戸のマンションの場合、
2~3人の滞納者がいることになります。

家賃滞納の理由は、
ただ単に忘れているだけであれば、
連絡を入れればすぐに払っていただけることがほとんどなので、
まだ良いですが、
払う気があってもお金がない場合や、
中にはそもそも払う気がない滞納者の場合には
対応に頭を悩ませることになるでしょう。

それでは、
どのようにして家主は
「家賃滞納リスク」を回避すると良いのでしょうか。
具体的なリスクと合わせて、そのポイントをご紹介します。

家賃滞納のリスク

実はこの家賃滞納は
「空室」よりも厄介なものになります。

なぜなら、会計上、入居者と賃貸借契約を締結している時点で売上が立ち、
家賃を回収できない場合は未収金に計上されます。

未収金とは、商品やサービスを提供し、
それに対する対価の支払いを受けていない債権のことです。

家賃を回収できていないにも関わらず、
売上は立っているため、帳簿上は「利益」となります。

その「利益」に対して、税金が発生するため、
納める必要があります。

また、立ち退き訴訟を起こすにも
3か月以上の滞納実績がなければならず、

訴訟を起こし、強制退去させることができた場合でも
10か月ほどはかかってしまいます。

その結果、本来、得られるはずだった家賃が回収できないうえ、

訴訟費用、強制執行代が30~40万円ほどかかるので
一人の滞納者を退去させるために
合計100万円近くの費用を負担しなければなりません。

このように、
家賃が回収できなければ、
大きな損害が出てしまうだけでなく、
家賃を支払ってくれない住人と
トラブルになってしまうケースも考えられるので、
きちんとした対策が必要となってきます。

家賃滞納リスクを未然に防ぐ

入居申込があった際に滞納しそうな人を見極めて入居させない
ということが重要な対策の一つとなります。

当社では入居申込があった際は、
入居希望者へこと細かくヒアリングを行い、
厳しい目線で入居者を選定するようにしています。
その際のチェックポイントをご紹介します。

入居申込書に「嘘」はないか

最初のチェックポイントは、
入居希望時に提出してもらう「入居申込書」です。
通常、入居申込書には
氏名・現住所・家族構成・勤務先・年収・引っ越しの理由などを記載します。

その申込書の情報と入居希望者の状況に「矛盾」がないかを
入居希望者と直接連絡を取り、入念に確認していきます。

その際、特に注意したいポイントをいくつかお伝えします。

転居前の住居の居住期間

生活環境の変化により、
引っ越すのは誰にでもあることです。 

ただし、これがあまりにも頻繁であったり、不自然な場合には
家賃滞納が常習化している可能性に加え、

短期解約の可能性があるため気を付けましょう。
もし、家賃滞納と退去を繰り返している入居希望者であれば、
今回も同じ展開となり、家賃が未回収となってしまうことも予測できます。

頻繁に離職、転職をしている

長期間同じ職場で働いている方であれば、
今後も継続してその職場から安定した収入を得られると

判断しやすくなりますが、離職や転職が多いと
収入面にも不安が生じることになります。

支払い能力が低い

支払い能力が低い入居者は総じて家賃滞納リスクが高いので、
注意する必要があります。
特に比較的家賃が高めの物件に対して、
年収が低い入居希望者の場合は注意する必要があります。

必ずしも年収の低い人全員が
滞納する訳でもありませんが入居希望者としっかり話をして、
総合的に判断することが大切です。

連帯保証人との関係

通常連帯保証にというのは、入居者と同等の支払義務を負うので、
単なる保証人よりも義務が重くなっており、

家賃の回収不能を生じさせにくくさせる役割を
果たします。
この連帯保証人がどういった職業をしており、収入が十分か、
入居者希望者とどういった関係にあるのか、
などを事前に調査することも重要です。

もし万が一、すでに家賃滞納が発生している物件を購入した場合

収益物件の売買では、家賃が滞納あるいは遅延のままで
取引されるケースがしばしばあります。

その際、家賃回収を行う上で
当社では「第一印象」が大切だと考えています。

家賃滞納や遅延が発生している物件を購入した場合の
家賃回収のポイントとしては、滞納者、遅延者に対して

「新しい所有者・管理会社は毅然とした対応をするんだな」
と印象付けることです。

1か月程度の滞納や遅延であれば、最初の回収時の対応で
ほぼ正常の支払いサイクルに戻すことができます。

一般の入居者は自分が住んでいるマンションの
オーナーや管理会社が変わることに不安を覚えます。

特に滞納、遅延をしている人にとっては
「最悪の場合、追い出されるのではないか」と考えるはずです。

この心理をうまく利用することで、最初の1~2か月の間で、
毅然とした対応をとることで大部分の滞納は解消できます。

家賃保証会社への加入

入居条件として「家賃保証会社への加入」を
必須にすることも対策の一つです。
加入していれば、仮に滞納が発生しても

保証会社に家賃を立て替えてもらうことができます。

また、万が一家賃滞納や立ち退きについてトラブルになったときでも
訴訟を起こしてくれますし、その費用も保証会社が負担してくれますので
オーナーとしては安心できます。

まとめ

家賃滞納リスクは、
不動産経営を行うすべてのオーナーに関わる問題です。
家賃を滞納しそうな入居希望者へ

きちんとヒアリングを行った上で可否を判断し、
もし家賃滞納が発生した場合は自身だけで対応しようとせず、
不動産会社や弁護士などの専門家へ相談の上、
対処を行うようにしましょう。

また、家主と入居希望者との間に
不動産会社が介している場合も多いと思いますが、
信頼できる不動産会社を選ぶことも大切です。

入居者を見つけてくれることは
家主にとってありがたいことですが、
無理をして入居付けを行い、

その結果、短期間で退去、家賃滞納
といった問題が起きては本末転倒になってしまいます。

あまりに審査を厳しくしすぎると、
優良な入居者も除いてしまう可能性もあるため、

上述したようなポイントを意識しながらも、
全体のバランスを見て
臨機応変に判断するようにしていきましょう。

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