COLUMN
2018年9月14日(金)
■はじめに
賃貸経営は家賃収入を目的に行う事業なので、
年間家賃の多寡が収益物件の価格形成における
大きな決定要素になります。
そのため、物件選定の第一歩として
レントロールの確認は不可欠です。
本日は物件を見極めるための
レントロールの見方について
具体的に物件例をあげて
解説いたします。
■レントロールとは
レントロールとは
賃貸条件一覧表のことで、
入居者ごとの契約賃料、契約者の属性(職業等)、
礼金、敷金・保証金などがズラリと並んでいます。
レントロールのチェックポイントには、
前述した敷金返還債務の金額や、
賃料に水道料が含まれていないかなど
いろいろありますが、やはり一番大切なのは賃料です。
もう少し具体的に見てみましょう。
賃料のチェックといえば、
空室部分の想定賃料が
適正かどうかを考える方が多いのですが、
実際にはもっと踏み込んで考える必要があります。
それは、すべての部屋から入居者が退去したとして、
今から新たに入居募集した場合いくらの賃料で決まるか、
そして、その際の年間賃料がいくらになるかということです。
これを当社では引き直し賃料と呼んでいます。
具体的に例をあげて説明します。
■サンプルを見てみましょう
データ:大阪市内、最寄駅より徒歩9分、1K(25㎡)×17戸、バス・トイレ別
価格:1億円
満室想定家賃収入:1,020万円/年
表面利回り:10.2%
実際にレントロールを詳細に見てみると、
賃料にかなりばらつきがあることが分かります。
賃料相場を調査したところ、
現在は1室4.2万円でなければ決まらないとの結果が出ました。
すると、引き直し年間想定賃料は
「4.2万円×17戸×12ヶ月=856.8万円」
となります。
物件価格1億円、表面利回り10.2%で購入した物件が、
現在のポテンシャルとしては8.6%弱となっているのです。
もちろん購入直後に
退去が続出することはありませんが、
一度退去が出るとその部屋が4.2万円になること、
そして長期的には引き直した利回りに収束していくことは
購入前から想定しておくべきです。
一見利回りが高い物件を高値掴みすることを避けられます。
今回は高額の物件を例に挙げ
レントロールをの見方を解説しました。
また、割安物件を探し出す際にも
レントロールチェックは重要です。
次回は割安物件の例を紹介します。