太陽光発電による法人税の節税について徹底解説!

法人税の節税について所得を圧縮するスキームには、不動産投資だけでなく生命保険、太陽光発電、オペレーティングリース、役員報酬の増額などさまざまな種類があります。

今回のコラムでは、「太陽光発電設備の導入による節税」スキームのメリット、デメリットについて徹底解説いたします。

最後までお読みいただければ太陽光発電設備の導入による節税効果について理解が深まりますので、ぜひご一読ください。

不動産投資による節税についての記事もございますので、合わせてご紹介いたします。

 

■太陽光発電の設備導入による節税の仕組み

減価償却効果によって税を繰り延べられるスキームにはさまざまなものがありますが、なかでも人気が高いもののひとつが太陽光発電です。

ソーラーパネルなどの太陽光発電設備を導入し、その設備の減価償却を計上することによって、年度ごとの納税負担を抑えるというのが、このスキームの基本的な仕組みです。

さらに、自社の店舗や工場に太陽光発電設備を設置すれば、自家発電によって電気代を抑えることができますし、余った電力については電力会社に売ることもできます。

税の繰り延べだけでなく、事業運営コストの削減や収入の拡大にも結び付くわけです。

しかも中小企業の場合、国の特例措置を受けられれば、導入にかかった費用を一度に減価償却(即時償却)できる可能性もあります。

本業の売り上げが好調だったので、費用を増やして納税負担を先送りしたいとか、自社株評価を下げるため、一時的に利益を抑えたいといったニーズにかなっていると言えるでしょう。

 

■企業による太陽光発電の設備導入が広まったきっかけ

企業による太陽光発電設備の導入が今日のようなブームとなったのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災がきっかけです。

震災によって発生した大規模な津波により、東京電力福島第一原子力発電所が「レベル7」という最悪レベルの原発事故を起こし、わが国のエネルギー安全保障が重大な危機に陥ったことが、国が太陽光発電を含む「再生可能エネルギー」の活用に取り組み始める大きな契機となりました。

 

■再生可能エネルギーの買取制度により太陽光発電設備の導入が拡大

その取り組みの一環として、震災の翌年の2012年7月には、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff、略称FIT)がスタートしました。

これは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、国が定める価格で一定期間電気事業者が買い取ることを義務付ける制度です。

制度開始当初、太陽光発電については、住宅用は1kWh(キロワット時)当たり42円(税込)、10kW以上の産業用は40円(税別)という固定買取価格が設定され、産業用については20年間、固定買取価格を据え置いたまま電気を買い取ることが決定されました。

FITによって安定的な収益が見込めることも、多くの企業が太陽光発電設備を導入する動機となったことは間違いありません。

 

■「グリーン投資減税」による太陽光発電設備導入の後押し

国は税制面でもさまざまな優遇措置を講じることで、企業による太陽光発電設備の導入を積極的に後押ししました。

一定の要件を満たせば、太陽光発電設備の取得金額の全額が、その使用を開始した年度に即時償却できる「グリーン投資減税」は、税の繰り延べ効果が非常に大きいことから、多くの企業が活用しました。

太陽光発電設備の通常の償却期間は17 年ですから、それをわずか1 年で全額償却できるというのは非常に魅力的です。

しかし残念なことに、この「グリーン投資減税」は2018年3月31日をもって終了してしまいました。

 

■太陽光発電には空室リスクがなく金融機関から融資も受けやすい

ちなみに、太陽光発電装置には賃貸アパート・マンションなどの収益不動産よりも優れている点もあります。

たとえば、賃貸アパート・マンションは、空室をいかに抑えるかということが管理面での大きな問題ですが、太陽光発電装置なら、そうした悩みを抱えることなく、安定的な収益を得ることができます。

また、太陽光発電への投資は、金融機関からの借り入れが比較的しやすいことも大きなメリットでしょう。

融資期間は10〜15年で、会社の信用度にもよりますが、金融機関によっては全額融資を受けることも可能です。

融資を受けることができれば、さほどのキャッシュアウトを伴うことなく、減価償却による税繰り延べ効果を享受できます。

以上見てきたように、太陽光発電設備の導入は、安定収益源の確保、税の繰り延べによる手元キャッシュの確保、自社株評価の引き下げといった、中小企業のオーナー経営者のさまざまな悩みを一気に解決してくれる万能的なソリューションであることがわかります。

とくに、FITが導入されたばかりの時期や、「グリーン投資減税」が利用できたときに太陽光発電設備を導入した企業は、非常に大きな恩恵を受けることができたはずです。

 

■太陽光発電設備導入の注意点

これから太陽光発電設備を導入しようと考えている企業がこれまでと同じような恩恵を受けられるとは限りません。

注意すべき点が2つあります。

・固定買取価格は毎年下落している
・税金の優遇措置や特例は縮小の可能性

 

✓固定買取価格は毎年下落している

FITの開始以来、国が定める固定買取価格は年々下落しています。

1kWhあたり40円(10kW以上)でスタートした産業用の固定買取価格は14円(10kW以上500kW未満)まで下がっています(2019年度)。

これほど下がったのは、そもそも制度開始当初の設定価格が高く、買い取りを義務付けられた電気事業者がそのコストを電気料金に転嫁したため利用者の不満が高まったことや、買取価格の高さに魅力を感じて太陽光発電装置を設置したものの、稼働させない業者が増えたことなどが理由です。

太陽光発電の固定買取価格は、ほぼ毎年下がっており、これからもさらに下がる可能性があります。

同じ価格で20年間、電気を買い取り続けるという基本的な仕組みは変わらないので、安定的な収益源にはなりますが、始める年が遅れれば遅れるほど、得られる収益が小さくなる可能性があることには注意すべきでしょう。

 

✓税金の優遇措置や特例は縮小の可能性

すでに「グリーン投資減税」が終了してしまったように、国による再生可能エネルギー関連の税制優遇措置や特例は、今後どんどん縮小されていく可能性があります。

その意味でも、これから太陽光発電設備を導入するのは、やや遅きに失した感があると言えるかもしれません。

 

■期間限定で「中小企業経営強化税制」による税額控除

ただし、中小企業の場合は、2021年3月31日までの期間限定で実施されている「中小企業経営強化税制」を利用することで、導入した太陽光発電装置の全額を即時償却できる可能性があります。

この制度は、文字どおり、約7 割が赤字経営であるわが国の中小企業の経営力を高めるために実施されているものです。

制度の対象として認定を受ければ、太陽光発電装置に限らず、経営力強化のために「一定の設備」を新規導入した場合、取得価額の全額を即時償却するか、取得価額の10%(資本金3,000万円超1 億円以下の法人は7%)の税額控除を受けることができます。

「一定の設備」の詳細は、中小企業庁のホームページにて確認下さい。

 

✓「中小企業経営強化税制」の認定を受けられる企業には条件あり

「中小企業経営強化税制」の認定を受けられるのは、以下の条件を満たした中小企業のみとなっています。

・青色申告書を提出している
・資本金もしくは出資金の額が1 億円以下の法人(例外あり)
・資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時雇用する従業員数が1,000 人以下の法人
・常時使用する従業員が1,000人以下の個人
・協同組合等

認定条件を満たし、この制度を利用すれば、導入した太陽光発電設備の取得価額の全額を、設備が稼働した年度に即時償却することができます。

それによって所得を大幅に減らし、自社株評価を下げることも可能です。

また、取得価額の10%(または7%)の税額控除を選択すれば、直接的に納税額を抑えることもできます。

 

✓太陽光発電装置でつくる電気を全量売ると「中小企業経営強化税制」認定の対象外になる

ただし、導入した太陽光発電装置によってつくる電気の全量を売る場合、認定の対象外となってしまいます。

この制度では、設備を新規導入する事業が制限されており、売電を専門とする「電気業」は認定の対象に含まれていません。

認定を受けるには、あくまでも自社の事業向けを主な目的として太陽光発電装置を導入しなければならないのです。

その分、売電による収入は減るので、安定収益源の確保という導入メリットは薄れることになってしまいます。

 

■さまざまな制約のある「中小企業経営強化税制」は使いづらい節税スキーム

自社の事業向けを主とする場合でも、その事業が制度の指定事業に含まれていなければ、認定を受けることはできません。

この制度の利用を検討する場合は、会社の事業が「中小企業経営強化税制」の指定事業に該当するかどうかをチェックしてみてください。

このほか、規模の大きな太陽光発電装置を設置するには、相応の広い敷地や屋根を必要とするなど、物理的な制約もあります。

そのため、郊外や地方の安い土地を取得して太陽光発電装置を設置する方もいらっしゃいますが、いざ売却しようとしたときに、郊外や地方の物件では買い手がなかなか見つからず、出口戦略に困るケースも多いようです。

以上のようにさまざまな制約があることを考えると、太陽光発電は必ずしも、すべての中小企業にとって使い勝手のよいスキームとは言い切れないかもしれません。

むしろ、業種などの制約が一切なく特別なノウハウがなくても始められる収益不動産の活用のほうが、敷居が低く使い勝手もよいのではないでしょうか。

指定事業」の詳細は、中小企業庁のホームページにて確認下さい。

■業種の制約がない収益不動産による節税スキーム

収益不動産を活用した節税であれば、手元にキャッシュを残しながら節税を実現することができます。

収益不動産はキャッシュアウトを伴わずに減価償却効果が得られるだけでなく、万が一のときにはいつでも売却できるというメリットもあります。

具体的なシミュレーションを元に紹介している記事がありますので、合わせてご覧ください。

節税対策を法人で行うとは?収益不動産活用の具体的シミュレーション

 

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